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プロローグ4
その巨大な骸骨は拳を振り下ろす。
地鳴りのような衝撃が伝い、フェンリルは抵抗する間も与えられず、その巨大な拳に押し潰される。
何度も、何度も、何度も、何度も、執拗に振り下ろされる拳。
フェンリルの姿が無くなるまでそれは続いた。
少女が、跡形もなくなったフェンリルを確認する。
少女は不機嫌そうに頬の血を拭う。
奏は、気の高揚が高まりが抑えられず、動き出す。
そこにあるのは、感謝の気持ちではない。
奏を動かすそれは、子供のような純粋な好奇心だった。
声をかけようと、口を開いた時──。
「終わった。拾って」
とつぶやき、少女は光に包まれた。
「待って。待ってくれ!」
「え……人?」
少女が奏に気が付いたその瞬間、姿を消した。
これが全ての始まりだった。




