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プロローグ3

視界に広がるのは、崩壊した街だった。

あったはずのビルは、瓦礫となり、木々は燃え盛り、地面は砕け、ガソリンと焦げた匂いが充満している。

その異常と言える光景の中で彼女はいた。

灰髪をたなびかせ、武士にも似た和装を纏う。

手に握られた刀は白熱し、蒸気を上げる。

九本の白い尻尾、右耳の欠けた獣耳。

見た目は、少女なのに、その容姿とは程遠く、周囲の空気を凍結させるほどの殺気を放つ。

彼女の見る先には、7メートルいや8メートルの四肢を壊れた鎖で繋がれた巨大な狼がいた。


「フェンリル……」


そう少女が呟いた瞬間、姿を消した。

次に認識した時、フェンリルの四肢は根元から断ち切られていた。

暴れながらもその巨体が崩れ落ちる。

少女は、フェンリルの背後に立ち、呼吸の一つすら乱れていない。

圧倒的な力量。

 その強さに奏は気が高揚する。

だが、終わってない。

フェンリルの断面から液体のようなものが四肢を象り、再生を始めた。


「面倒……」


少女が刀を鞘に戻し、駆け出す。


「妖式抜刀術」


静かな声と共に抜刀し、赤い炎の中から黒く巨大な骸骨が姿を現す。

「躯の化身蛾者髑髏」


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