初登場のクラスメイト
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桜が散って少し経った。
入学式が終わってから、少しずつ周りのみんなが打ち解けてきた頃───
観月 瑞希は窓の外の桜の木を眺めている。蕾や花びらは散り、体を緑で彩る準備をしている桜の木を。
隣の席の男子は、そのまた隣の男子と会話している。反対隣の女子は、その後ろの女子とスマホを見ながら推しの話をしているようだ。
(俺の周りはもうグループが形成されてるな〜。)
瑞希はコミュニケーションが苦手な訳では無い。ただある引け目から友達作りに迷っている。多感な時期なのでそんな事もあろう。
さて。高校生となってもうすぐ1ヶ月となるが、瑞希は一つ気になっていることがある。
(この列の一番後ろのやつ、まだ一日も来てなくね??)
このクラス、1年5組の生徒数は25人。席は5×5の正方形型になっている。
そのうち一席が未だに空席なのである。
ここで今月頭に配られた名簿を見てみる。
そいつの名前は載っている。指月 陽親。
名前的に男子だろうか。いや、このご時世名前だけで決めつけては行けない。
色々と想像の吹き出しを膨らませていたところに、担任が教室前方のドアを開ける音がその吹き出しを突き破った。
「おはよーう!」
「「「おはようございます。」」」
担任の若く少しハスキーな女声の後に、クラスメイトたちの少しまだ不揃いな挨拶が続く。
それはいつも通りでいいのだが、一ついつもと違う点がある。
先生の隣のそいつは誰だ。自分と同じ制服を着ている。ということは例の来ていなかったやつか。
───というか色々ツッコミたいことがある。
「ホームルーム始めるね。昨日の終礼で言っていたように、今日からクラスメイトの指月 陽親くんが加わりまーす!少し遅れた入学だけど、これで全員そろいましたね!楽しいクラスになりそうで先生も嬉しいです。」
(あれ??昨日のSHRで言ってた!?……あ、俺掃除が長引いて遅れたんだった。)
瑞希は動揺しながらも、新メンバーのディテールを失礼ながらチェックしていく。
まず全体的な色素が薄い。薄いどころか髪は真っ白でキラキラ光っている。目も本当に文字通り水のような水色である。
(髪が太陽光で光ってて、なんか鏡みてぇだな…あとイケメン。顔立ちふわっとしてて、なんか「なにわ」っぽい。)
そしてやっと瑞希は核心に触れる。
(その頭にある猫耳はなに!!!???)
新メンバーは、猫のように2個、頭に大きな耳が生えているのであった。
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