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柳華蓮の妄想日記

作者: 戯言士

 私の名前は柳華蓮。

 ちょっぴり内気で引っ込み思案、そんな傷つきやすい乙女だけど、一途な想いは誰にも負けない女子高生。

 そんな私の恋する彼は──。


 クラスメイトの十八女(さかり)(みつぐ)


 きゃっ、恥ずかしい♡ 言っちゃった♪


 彼は知的で冷静、寡黙だけどその実は優しくて面倒見の好い照れ屋さん。

 彼と同じクラスになってからというもの、ずっと陰から見つめ続けていた。だから私がそれを誰よりも知っている。


 例えば4月。迷子の新入生を目的地へと案内する貢。雑に礼をしただけで駆け出していったその子の態度が腹に据えかねたけど、それを咎めない器の大きさが素敵。

 そして貢もその部屋へと入っていく。男子とはそういうものらしい。

 できればもう少し追っていきたかったけど、さすがに女の私じゃそれは憚られるので仕方なく隣の部屋へと入ることにする。

 ……何の部屋かって? 女の子にそういうことを訊くんじゃないわよ。


 例えば5月の連休。とあるデパートのゲーセンコーナーで見つけた貢。その真剣な眼差しが素敵。

 声をかけられればよかったんだけど、内気な私にはハードルが高くって……。

 とはいえやはり一緒に遊びたい。

 幸いにして客は彼一人。そして筐体は格ゲーの対戦台……。

 うん、これはやるっきゃないでしょ。

 こっそりと気づかれないように筐体の席へと滑り込む。そして──。

 ……ついボコボコにしちゃった。えへ♡

 日は高いのに早々に立ち去って行く貢。

 もう少し一緒に遊びたかったのに……。

 でも、自宅まで押し掛けるわけにはいかないし仕方ないよね。


 6月。突然振りだした雨に打たれた貢。

 う~ん、セクシー。正に水の滴る良い男♡

 ……なんてうっとりしている間に貢ははるか遠くに。

 でもせっかくの相合傘のチャンスを見逃すのは惜しい。

 慌てて駆け出した私の真横を──。

 おのれ、忌々しい軽トラめ。

 飛沫を浴びせられて濡れ鼠の私。

 その日は諦めて帰宅し、お風呂入った。


 7月。夏といえばプール。でも水泳の、というか体育の授業は当然ながら男女で別。

 せっかく水着姿で悩殺してやろうと思ってたのに……。そして──。

 あ、ヤバい。想像してたらまた鼻血が……。


 8月、夏休み。貢の姿を見ることはなかった。

 ずっと家の前で見張ってたのに。

 毎日何をしていたのだろう。

 謎めいたその私生活を思うとときめいてしまう。


 9月。ひと夏を過ぎて貢はますます素敵に。

 もう我慢できない。

 というわけで私から突撃して告白。

 返事をもらったのは翌日だった。

 もうっ、いったい私がどれだけやきもきしていたと思ってるのよ。

 もちろん返事はOK。貢も言ってたけど私のような美少女からの告白を断れる男子なんているわけないもんね。こんなことならもっと早く告白すれば良かった。

 ともかく、こうして私たちは晴れて恋人同士になったのだった。うふっ♡


 付き合い始めてから一週間。授業が休憩となる度に貢のところへと行って話しかけるのが楽しい。

 今まで遠慮があってできなかったことが堂々とできるようになったこの喜び。やっぱり告白して良かったぁ……。

 対する貢の反応は妙に素っ気ない。本当に男子ってシャイなんだなあとつくづく思う。

 少しくらい素直になってくれたら嬉しいんだけど、貢だもんなぁ。

 もっと積極的にアプローチしてみるか……。


 付き合い始めてから半月。薔薇色の毎日が続いている。

 特にお昼を一緒に食べるのが楽しみ。だって貢の作るお弁当ってとっても美味しいんだもん。

 もう二度と購買のパン生活には戻れない。


 10月。付き合い始めてからもうじき一ヶ月が経つ。でも貢から何かを求められはことは一度もない。手を繋ぐことですら私から。

 貢の性格は理解しているつもりだけど、だからってここまで何もないってことはあり得るのだろうか。貢だって男の子のはずなのに……。

 ああっ、こんなことを考えていたせいか私の方がムラムラとしてきた。今夜はちゃんと眠れるだろうか……。

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― 新着の感想 ―
好ましい青春では? これって妄想なのかな? 現実は厳しい……(^^; そういえば、過去 恋愛もの途中で消されていましたね、 新たに作り直されるのでしょうか(^^♪
なんかこう、ヤキモキするなぁ。 もう、二人っきりの時に押し倒しちゃえ!(笑)
R18にして、続編を書いてみたらどうでしょうか?! (*゜▽゜*) せ、責任はとれませんが…………(¬_¬)
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