表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/40

交わる力

 盗賊たちは各々、ボロボロの剣や棍棒を手にしている。

 装備こそ粗末だが、慣れた手つきで取り囲んでくるその動きは、単なる野盗よりも手強そうだった。


 「おいおい、そんな短剣一本で俺たちを相手にするつもりか?」


 リーダー格の男が、剣を軽く回しながらニヤリと笑う。


 ノアは短剣を構えたまま、冷静に敵の動きを観察する。


 「さあな。どうなるか、試してみるか?」


 挑発するように言いながら、一瞬で間合いを詰める。


 「なっ……!」


 盗賊の一人が反応する間もなく、ノアの短剣が腕の隙間を掠めた。


 「チッ、やるじゃねぇか!」


 盗賊たちが一斉に襲いかかる。



 「エルナ、援護頼む!」


 ノアが叫ぶと、エルナはすでに風を練り上げていた。


 「分かってる!」


 彼女の手元に集まる風が、やがて渦を巻き、ノアの周囲を駆け巡る。


 その瞬間――


 ノアの短剣が、かすかに風を帯びた。


 「……?」


 ノアは一瞬の違和感を覚えた。


 (なんだ……今の感覚?)


 だが、考えている暇はない。目の前の敵が斬りかかってくる。


 ノアは直感に任せ、短剣を振るった。


 すると、刃が”通常よりも軽く”動き、盗賊の剣を弾いた。


 「っ!? なんだ、今の……!」


 盗賊が驚いたように後ずさる。


 一方、エルナも息を呑んでいた。


 「……今、ノアの短剣に……?」


 彼女の手元の風が、一瞬だけノアの武器と”ツナガッた”気がした。


 だが、それが何なのかは分からない。


 ノアもエルナも、互いに一瞬視線を交わしたが、戦闘が続く以上、今は深く考える暇はなかった。


 「……とりあえず、この戦いを終わらせるぞ!」


 ノアが前に出て、エルナは再び風を操る。


 そして――偶然の”ツナガリ”を残したまま、戦闘は激しさを増していく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ