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初めての戦い

 広がる草原を歩きながら、ノアは手に持った短剣を軽く振る。


 「……しっくりくるな。」


 短剣の柄には細かな装飾が施されており、手に馴染む感触があった。


 それもそのはず。この短剣は、村を出る前に村人たちから贈られたものだった。



 ――回想:村の鍛冶屋にて。


 「これはお前に合うと思ってな。」


 鍛冶屋の親方がノアに差し出した短剣は、シンプルながらも洗練された作りをしていた。


 「軽いな。」


 「お前はスピードを活かすタイプだろ?だったら、無駄に重い武器よりも、こういうのがいい。」


 ノアは短剣を握りしめ、軽く振るってみた。確かに扱いやすい。


 「ありがたい。大事に使うよ。」



 「ノアさん、敵です!」


 『A』の声に、ノアは意識を戦闘に切り替える。


 目の前には、獣型のモンスターが数体、鋭い牙を剥いてこちらを睨んでいた。


 「……さっそく実戦か。」


 ノアは短剣を構え、モンスターたちに向かって走り出した。



 エルナは後方で戦況を見極めながら、風の精霊の力を操る。


 「――風よ、軌道をずらせ!」


 ノアに襲いかかろうとするモンスターの動きを、一瞬だけ乱す。


 その隙をついて、ノアの短剣が正確にモンスターの喉元を貫いた。


 「ナイス援護。」


 エルナは軽く指を鳴らしながら、「当然だろ」と笑う。



 戦闘が終わり、倒したモンスターの中から、食用になりそうなものを選び取る。


 「……なあ、これ、食えるのか?」


 エルナが獲物をじっと見つめる。


 「たぶん、焼けばいけるんじゃないか?」


 「試してみるか。」


 焚き火を起こし、肉を焼き始める。だが、少しクセのある臭いが気になる。


 「エルナ、お前の力で何とかならないか?」


 「……熟成の要領で試してみるか。」


 エルナが肉に触れると、じわりと”ツナガリ”が生まれた。


 数分後――焼けた肉を口に運んだノアは、驚きの表情を浮かべる。


 「……美味い。」


 『A』も頷きながら、「エルナの力、やっぱり食事にも役立ちますね!」と嬉しそうに言った。


 こうして、彼らの旅は戦いと発見を交えながら進んでいくのだった。

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