終わり
俺は怖かった、でも自分の人生をここで終わらせるのは嫌だった、
確かにいつ終わってもいいと思っていた人生だけど、
こんな終わり方は嫌だ、もう少しがんばってみたい、もう少し挑戦したい、
俺の魂がそう言っていたのだ。
ツリーハウスに入ると、中は電気も無いのに明るく広かった、
この前より広くなってる?
そこでは子どもの俺ときつねのお面の子が床に座り、
小さな木の机にスケッチブックを広げて絵を描いていた、
それはミスターブラックの絵だった。子どもの俺はミスターブラックの顔を描いていない、
シルクハットをかぶり顔は無いが、きつねのお面の子はミスターブラックの顔を描いていた、
この絵だ!この絵を持って帰れば俺は助かる!俺は心の中でよし!と言った、
これで顔が取られることはない!!
そう思った時にきつねのお面の子がこっちを見た、確かに目が合っている、なぜだ?見えるのか?
俺は動けなかった、金縛りになったように指一本動かない、
きつねのお面の子は俺をじっと見ている、そして急に身体が大きくなり、
俺より大きい2mぐらいの大きさになった、何が起こっているんだ?
大きくなったきつねのお面の子は俺の上に乗って俺の首を締めて来た。
急な出来事で俺は何も出来なかった、
「た、たすけ・て・・」
俺は言葉にならない声をだした、
子どもの俺は何も気がついていない様子で絵を描いている、俺はもがい何か近くにないか、
手で探った、俺は近くにあった熊の置物できつねのお面の子を殴った、
人を殴ったのは始めてだった、ゴン!と凄い音がした、
相手が少し怯んでいる間に俺は外に出た。
すると螺旋階段が無くなっていた、下にカイもいない、
振り向くときつねのお面の子がお面を外し笑っていた、
2mはある大男だ、俺は男を見上げて驚いたお面の子は俺だったのだ、
「俺が2人?いや3人か?」
きつねのお面の子は静かに手を降り「さようなら永遠に」と言った、
意味がわからなかった、
そして大きな声で「おまえの負けだ」と言うときつねのお面の子とツリーハウスが消えた、
そして俺はバランスを崩して下に落ちた、
ドサッ
カイがすぐに寄って来た、
「大丈夫にゃ?」
俺は落ち葉がクッションになり怪我は無かった。「多分大丈夫だ。」
その時カイが周りを見て、「逃げろ」と言った、
周りを見ると記憶の番人10人ほどに囲まれていた。
記憶の番人は赤い目をしている、足は無く黒いマントのようなものを被っていて、
煙のようにふわふわ動いていてマントをひらひらさせている。
俺はすぐに動けない、やはりどこか打ったのかもしれない、
「カイ逃げろ!俺のことはいいから!」
記憶の番人に捕まったら元の世界に戻れない、カイもこの世界で暮らせなくなる。
もう終わりかもしれないと諦めかけた時、地面に穴が開いて青い螺旋階段が出て来た、
その階段で下りるにゃ!急げ!!
俺は転がるように階段の場所まで行って、階段を下りた、下りたというか転がった。
痛む体を押さえて俺はどうにか下まで下りて来た、
カイは大丈夫なのか?番人に捕まっていなか?心配しながら俺は階段を下りた。
下りた先は、そこは俺のアパートの屋上だった、
俺が下りると同時に青い螺旋階段は消えた、
少しの間俺はそこで寝転がり空を見ていた、
「終わった・・・」
きつねのお面の子は俺だった、俺が生み出したのか?
ミスターブラックの顔を思い出せない俺はもう終わりだ、
「さよなら永遠に・・・」と言ったきつねのお面の子の言葉がまだ耳に乗っている。
でも終わりではない!俺はポケットから小さな紙キレを出した、
首を締められた時にとっさに掴んだ紙だった、
そこに小さくミスターブラックの顔が描いてある、
俺の勝ちだ。
つづく




