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記憶の世界の探しもの  作者: yukiko
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戻った記憶

真夏の空色の手紙のイラストの謎はほぼわかったあとは「熊の置物」だけだ。

夜の森、周りはもやもやとしていて、空気は淀んでいて気温は低い、

クラゲのカサに包まれたような、

大きくブヨブヨしたものにすっぽり包まれた感覚だ。

これが夢の中なのか?


カイと気まずい空気の中にいる、

俺は近くにあった枝で地面に穴を掘っていた、

土なんて久しぶりだ、なんで人は穴を掘るのが好きなんだろう、

土の感触、土の湿った匂い、懐かしくて癒やされる。

夢の中でも月はある、明るく白い月が森を照らし神秘的な雰囲気になっている。

土を掘って行くと土の色が変わって来た、

俺は小学生のようになぜ夢中で掘っていた。


「何してるにゃ?」カイが聞いて来たその時、ガサガサと音がして2人は下りてきた。

「下りて来た!」俺が言うとカイは急いて起き上がった、

2人は迷い無く同じ道を帰って行った、カイは「早く2人のあとをつけるにゃ!」と言った、

俺は少し考えてから、

「俺はツリーハウスの中を見たい、後で行くから先に2人を尾行してくれ!」と言った、

カイは少し考えてから、

「わかったにゃ!」と言って少し距離をあけて2人の後を追った。


俺は2人がツリーハウスの中で何をしていたのか知りたかった、

3人が視界から消えるのを待ち、

俺はドキドキしながら赤い螺旋階段を上りツリーハウスの中に入った、

懐かしい気持ちが心に湧き上がって来た、

「この気持はなんだ?」

自分の気持ちと向き合っている時間は今はない、

俺はズボンのポケットからスマホを出してツリーハウスの中を照らした、

スマホが役にたった。

こんな暗い中で2人は何をしていたんだ?

ツリーハウスの中は、スケッチブックがたくさん置いてある、

そこに熊の置物が置いてある棚あった、

「この熊の置物は・・・10個目のイラスト・・・?」

ミスターブラックを描いたモノが多かった、俺の記憶がだんだんと鮮明になって来た、

俺は・・・俺は・・・忘れた記憶、いや封印した記憶が、

走馬灯のように蘇って来た。

学校、受験、家族すべてが嫌だった、

どこかに逃げたい、だれか助けてくれといつも願っていた、

眠りに落ちる前に「明日は目覚めないようにして」といつも思っていたけど、

次の日の朝は必ず来た、地球上にはこんなにたくさんの人がいるのに、

俺には心を開いて自分の苦しみを話せる相手が一人もいない。

ただ重たい思いを抱えていた。

学校からは悩みがある人はと、「子ども悩み相談」の電話番号が書いてある紙をもらったが、

身近な人にも話せない相談は見知らぬ人にはもっと話せない。

そんなコミュニケーション能力のある奴は悩みも深くはならない。

その紙をもらうたびに俺は近くの空き地にビリビリに破いて捨てていた。


子どもの俺には悩みが重すぎたんだ、そのうち夜眠れなくなり、

悪夢を見るようになった、暗い森に行く夢だ。


俺は思い出した、部屋に迎えに来たきつねのお面の子のことを。

ある時部屋にあのきつねのお面の子がいたんだ、俺はなぜか少しも怖くなかった、

その子に連れられてこのツリーハウスに行った、

そしてきつねのお面の子が「何が怖いのか?」と聞いて来た、

「怖いものを描いて見て」と言われて俺は描いたそれがミスターブラックだ!

ミスターブラックは俺が描いた絵だったんだ!

なんですぐに思い出すことが出来なかったのか?


このスケッチの中に俺が描いたミスターブラックの顔があるのかもしれない、

俺はスケッチブックを全部だして、顔を探した。

すると急に空気が軽くなったような異変を感じて外に出た、

クラゲの中のようだった視界がクリアになっている、「どういうことだ!」

俺はツリーハウスに戻ろうとして振り向くとツリーハウスは消えていた、

「ツリーハウスが消えた!」

そして前を見ると赤い螺旋階段も消えていた。



つづく


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