表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶の世界の探しもの  作者: yukiko
15/28

出発

ミスターブラックは一瞬で消えた、

青い螺旋階段は残されたままだった、振り向くと赤い螺旋階段もあった。

俺は下に降りたそこはいつものアパートの廊下だった、

違うのは上の行けるようになったことだ、

他の住人と言っても2階には俺を入れて3人しか住んでいないが、

他の2人は気がついていないのかな?

部屋に帰りコーヒーを入れた。

時計は午後1時を指していた、お腹は空いて無い、

(疲れた)そう言ったけど声は消えてしまった。

ソファで横になった、何も考えたくなかった、目を閉じて深いため息を吐いた、

すると急な眠気に襲われてウトウト眠りに落ちてしまった、

気が付くと空が暗くなっていた、

急いで起きて時計を見た、時刻は午後5時を過ぎていた、

いつの間にこんなに時間が・・・

長い夢を見ていたのかもしれない、すべて夢だったのか?

試しに声を出してみた、(あーあー)やはり声は消えてしまった。

現実か・・・

立って壁に貼ってある無地のカレンダーの1ヶ月後の日にちに丸を付けた、


もしかしたら1ヶ月後に顔を取られてしまうかもしれない。

カレンダーを見ながら恐怖を感じた。

しかし、まだ実感が無い、どうにかなるそんな気持ちも心の片隅にはある。

俺はお腹が空いていることに気がついた、

朝ごはんを食べただけで何も食べていない、冷凍庫を開けて冷凍にしてあったご飯を出した。

ご飯を温めてレトルトのカレーを食べた。カレーを食べながら考えた、

昨日の夜から普通なことは1つも無い、

俺は世界を何も知らなかった、狭い世界で目も耳も塞いで生きて来たのかもしれない、

常識、普通、当たり前は人間が作った幻想なのかもしれないな。

江藤の記憶は消した、ミスターブラックはそう言っていた昨日の夜のことも、

左目が5日間無かったことも江藤は覚えていないのか?

記憶が無いっていうのは幸せなことだな、

ツライ記憶、嫌な思い出はすべて消えればいい、

俺はこうやって記憶を消したのか?

ミスターブラックの顔を俺が取った?どういうことなんだ?


依頼されたイラストがあと少しで仕上がる、

俺は気分は乗らないが絵の具を出してイラストを仕上げた、

すべてが終わり時計を見ると午前1時だった。

俺はさっとお風呂に入り、髪を乾かしベッドに入った、

明日は記憶の世界に行こう、どうなるかわからない、

でももう後戻りは出来ない、俺は目を閉じて眠りが来るのを待った、

眠れないと思っていたが眠りはすぐに来てくれた。


明日の為に寝ないといけない・・・


目が覚めると午前8時だった。

いつものように顔を洗いパンを食べて、絵を包装して郵便局に向かった。

家を出るとやはり赤い螺旋階段は上にも続いていた。

螺旋階段を下りて歩いて5分のところにある郵便局に向かった、

時刻は午前10時半、通勤も通学も終わり、住宅はガランとしている、

郵便局でいつものふくよかで愛想の良いおばさんに荷物を預けた、

「今日はいつもより寒くないわね、

 今日の午後からまた寒くなるみたいよ!」とおばさんは声をかけて来た、

俺は笑顔でうなづくだけしか出来なかった。

いつもなら「確かに今日の午後から寒いみたいですね、早く暖かくなるといいですね!」

なんて言う返しをする俺が何も言わないのでおかしいな?という顔をしていた、

やはり声は返してもらわないと困る。


次は記憶の世界からすぐに帰って来れないかもしれない。

足早に家に帰り、

押入れの奥から大学生の時に使っていた黒いリュックサックを出して、

手紙とチョコレート、ペットボトルの水をカバンに詰めた、

このリュックサックは少し小さくて大学生の時に買ったが2,3回しか使ったことは無かった、

まさかこんなところで使うことになるなんて思っても見なかった。


スマホを手に取り考えた、あの世界でスマホは使えるのか?

一応持って行こう。


記憶の世界は寒く無かった、

俺は長袖の白いTシャツに濃いグレーのパーカーを着て、

いつものジーパンを履いた。

冷蔵庫に入っていたヨーグルトと最後の食パンを食べて、

部屋を片付けて、歯を磨き家を出た。

気持ちは戦場に行くような気分だった、

本当の戦場は知らないが戦いに行くというのはこんな気持なのだろうと想像した。

もし俺が帰って来れなかったら、

誰か知らない人がこの家に入るかもしれない、

そう考えると少し部屋をキレイにしておこうと思ったのだ、

汚い部屋で暮らしていたのかと思われるの嫌だ、

俺の小さなプライドかもしれない、でもそれが今の俺の精一杯だった。


鍵を閉めてリュックの横の小さなポケットにしまい赤い螺旋階段で上に向かった、

上に行くと屋上の奥に青い螺旋階段があった、

俺の息は浅くなっていた、本当は行きたくない、

行かない方法を見つけたいでも他に方法は無いのだ。

前に進むしか方法はないと自分に言い聞かせて青い螺旋階段を上った。



つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ