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記憶の世界の探しもの  作者: yukiko
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青い螺旋階段

赤い螺旋階段をゆっくり上るとそこはアパートの屋上だった・・・。

始めて見るアパートの屋上は新鮮だった。

柵は無く、青い空とコンクリートの床があるだけだった。

景色は・・・

おかしいアパートは2階建てなのに、

見える景色は高層ビルの屋上から見えるような景色だった。

遠くにスカイツリーが見えてたくさんのマンションが下に見える、

ここはとても高い場所だということがわかった。

俺は怖くなり螺旋階段を下りようと振り向いたその時に声をかけられた、

「やっと会えましたね。」

後ろで声が聞こえた、振り向くとシルクハットを深くかぶり黒いスーツに黒い靴、

黒いステッキを持ったおじさんが立っていた。

帽子で顔が見えないがしゃがれた声からおじいさんの声だとわかった、

そういう声の若者かもしれないがその声は年を重ねた声だった。

「あなたは誰ですか・・・」と聞いたが声が出ない。

声を出すと何かに吸い取られるように俺の声は消えてしまった。

「あーあー」と声をだしてみたが同じだった。

「声は消した」男が言った。

「私に色々と聞きたい気持ちはわかる、しかしそれに答えるのは面倒だ。

 10枚の手紙のこと、この場所のこと、私のこと、聞きたいことがたくさんあるな。」

男はそう言って空に円を描くようにステッキを回した。

「話しをするのは面倒だからまずは行ってもらう、そのほうが話しは簡単だ。」

男がステッキで空に円を書くとそこから青い螺旋階段が降りて来た。

そしてその階段は天高く続いていた。

「これで上に行きなさい」男はステッキで青い螺旋階段を指した。

どこに続いているかわからない階段なんて登りたくない。

ジャックと豆の木を思い出しながら俺は言った。

「上に巨人なんていないよ、ジャック。」

男は言った、俺の心が読まれている。


俺の足はまた勝手に動き出した、男の前を通り、

青い螺旋階段をゆっくり上り始めた、振り返ると男はこっちを見ているようだったが、

帽子で顔が隠れていてどこを見ているのかわからなかった、

上を見ると螺旋階段は途中から雲に飲み込まれ先が見えなかった、

ため息をつきながら俺は上った、

なんでこんなことになったんだ、階段の上には何があるんだ、

どこまでも続く階段、雲の中を上って行くと風が強くなって来た、

途中で急に雲が無くなり視界が良くなった、スカイツリーを上った時を思い出した、

大翔と一緒に昔に上ったスカイツリー・・・あの時は楽しかった、

そんなことを考えながら俺は上り続けた。

遠くに富士山が見える、下を見るとビル、家がジオラマのようだった、

もうアパートの屋上も見えないほど上がって来た、

そしていよいよ階段の終わりが見えて来た、

眩しい!目が開けていられないほどの光だった、

反射的に目を閉じた、そして目を開けるとそこは見覚えのある公園だった。


「この公園は・・・あれ?声が出る!あーあー」

声が出るよになっていた。

俺はゆっくり辺りを見回した、「懐かしい・・・」この公園は昔よく遊んでいた公園、

「暖かいな」俺はダウンジャケットを脱いだ、

上を見ると桜が咲いている「春なのか?」春の香りがする、

懐かしい公園の土の香りと春の香りに頭がクラクラした、

「平和な時代の香りだ」そんな独り言を言っていると5,6人の小学生が騒ぎながら公園に入って来た。


今の小学生とは違い服装が少し前の流行りのようだと思った、

小学生の中に見覚えのある格好の子どもがいた良く見るとそれは子どもの頃の俺だった。


つづく

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