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31話 解決 その2

「それではね、ニーナ、ウォーレス。この次に会う時は他人同士ということで」


「あ、アーチェ……」



 ニーナもウォーレスも悲壮な顔をしていたけれど、私は敢えて突き放すことにした。彼女らには情けなど必要ないと思えたからだ。むしろ、少しでも情けを出した方が逆効果になってしまうだろう。今までの私はそのことに気付いていなかったけれど、ネプト様達のおかけでそのことに気付くことが出来たと思う。


「それではお引き取りいただきましょうか」



 お父様の無慈悲な一言で、二人は屋敷から追い出された。よくよく考えると、最初から私が二人に無慈悲な態度を取っていれば、お父様にもフォルセにも、ネプト様にも余計な心労を掛けることはなかったのよね。


「ごめんさない……色々と申し訳ございませんでした」


「気にするな、アーチェ。私としてはアーチェの成長ぶりに驚かされているくらいだ」


「ネプト様……」


「ふむ、確かにその通りですな。アーチェ、殻を破ったようで本当に良かった」


「私も同意見です、姉さま。あとは、ネプト国王陛下との恋愛を成就させるだけですね」


「お父様、フォルセ……ありがとう」



 私は周りに本当に恵まれている……そのおかげで成長出来たのだとハッキリと分かった。感謝してもしきれない事態だ。


 あれ? フォルセがなんだか変なことを言ったような気がするけれど……ええと、なんだっけ?



「話は変わるがな、アーチェ。聞いて欲しいことがあるんだ」


「ネプト様……? 如何なさいましたでしょうか?」


「うむ……アーチェさえよければの話なのだが、私と一緒にならないか?」


「え……?」



 一緒になる……? それってもしかして……ええと、なんだろうか? 私は国王陛下のあまりの言葉にまともに思考出来ていなかった。


「つまり、私の側室として一緒になってくれないか、ということだ」



 側室……あ、やっぱり理解出来ない事柄だったわ。私は驚きを通り越して、夢を見ていた。


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