ラノベももう少し成長や学習、変化の過程を重視した内容のものが増えてほしいところです
さて、最近『キングダム』を読み始めてあっという間に最新刊の58巻まで読破してしまいましたが、『キングダム』いいですよね。
最初は腕っぷしは強いけど何も知らない奴隷身分だった信が様々な人物と出会い、そして死別し、徐々に肉体的にも精神的にも武将としても成長し、部下に慕われていく過程はものすごく素晴らしいです。
しかし、趙の攻略は一度失敗して戦国七雄の一つ韓の滅亡にたどり着くのさえあと何冊必要なんだ、中華統一まで行けるのか? という気もしますが。
それはともかく、2000年代以降のラノベは基本的に主人公は最初から努力しなくても何らかの能力を手に入れて女性が勝手によってくるというものが主流なわけですが、その結果として、新規ヒロイン追加で物語がごちゃついて、同じような内容を延々と繰り返し、無駄な引き延ばした挙句、最後になにこれって唐突な終わらせ方をするという作品が増えたように思います。
最初から最強無双で成長や変化の余地がないと、無双やざまあできる最初はいいんですが、すぐにマンネリ化して飽きちゃうんですよね。
恋愛も、『かぐや様は告らせたい』とか少女漫画のように、もうちょっと心情の変化の過程をじっくり書いてほしいなあと。
現在アニメが放映されている『魔王学院の不適合者』も、今の所アニメは面白く感じますが、なろうで読んだ原作については第三章の勇者学院編で「なんか同じようなことの繰り返しだな、これ」と読むのをやめてしまいましたし、『銀河英雄伝説』も同盟軍の主力が壊滅して門閥貴族が滅んだら後はヤンスゲーをずっとやっている消化試合みたいなものでしたし。
ミステリで最初に犯人もトリックもばらされてあとはたいして意味ない話を延々書かれたり、RPGで本編がほんのちょっとで、あとはやりこみ要素満載と言いつつ、やりこみ要素が大して面白くなかったりするのと同じようなものだと思うのですが。
『鬼滅の刃』も成長と変化のお話ですし、ラノベでも、成長も何もなくただ同じことを繰り返して無駄な引き延ばしをするのではなく、成長と変化が感じられる作品が出てきてほしいなぁと思います。
とはいえ、なろうのシステムだと最初に読者を食いつかせないといけないので難しいところではあると思いますけど。
そういう点で、追放や悪役令嬢の婚約破棄も、ヘイトの蓄積と解消で「読者の期待を裏切らない」上に「スキマ時間に読める」からなろうでは強い、という点には納得できなくもないんですけど、残念ながら、「ざまあした後の話は別に要らないのでは」という作品も多いんですよね。