なんでこんな人生になったんだろう②
私は、俗に言う転生者である。
前世では、日本でOLをしていた。特に事故死という訳でもなく流行り病で命を落としたため対して後悔もしていない。いや、一つだけある。
せめて、死ぬときに「俺の屍を越えてゆけ!」や「我が人生一片の悔い無し」とか言いたかった。
そんな、些細な後悔をしながら気付いたらこの世界に転生していた。
私が3歳の時に姿見を見て
(あれ?なんで私の髪こんなに白いんだろう?)と思ったのが自覚したきっかけだった。
それからは、記憶を思い出すのは早かった。そして気付いた。
この世界は、魔法が当たり前に存在しているのである。そして、私は大きい屋敷に2人だけで住んでいるということに。
前者に対しては、心がぴょんぴょんした。
前世では、異世界ものやなろう系小説を読んでいたので記憶を活かしてチートしてやるぜなんてことも思ってた。幸いにも大きい屋敷に住んで居ながらも悪役令嬢の転生や聖女なんてこともなかった。
だが、後者が問題だった。
記憶を思い出す前からこの屋敷にはゼヴィンと私しか居なかった。
私は、当時ゼヴィンに何故かと聞いた。
「私の親は、何処にいるの?どうしてゼヴィンと2人だけで暮らしているの?」
「フィリア。僕よりも親と一緒に住みたいのかい?君の親は、僕に君を売ったんだからそんな存在気にする必要はないよ。僕が君と一生一緒に居てあげる。心配することはないよ
…やっぱり、本なんか与えず僕だけを見るようにしてればよかったな」
最後のボソッとした呟きが聞こえた時は、全身鳥肌が立った。
この時のゼヴィンは、5歳である。
(あっ、ヤンデレが出来上がってる。これ一生監禁ルートじゃね?まだ、私三歳だよ。いや、待てよ。こんな人生逆に楽でいいな。いざとなれば前世の記憶と魔法を頼りに逃げればいいだろう。うんうん。)
この時の私を殴りたい。あの時逃げてればここまでヤンデレを極めなかったかもしれない。
15年間一度もこの屋敷から出れないなんてことがあってたまるか!よって、私の目標は、ヤンデレからの逃亡となった。
おまけで伝えておくと親はとある事情で私を手放しており、私は一切の魔力をもたないめ魔法が使えず魔法が効かった。
(何が異世界転生だ!)