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絡まれるフラグ = 0;

if ( 単独行動 ) { 

絡まれる=1; 

}

的な処理が走っている。


よく意外だと言われるが、卓磨たくまは読書が好きである。

色んな知識はもちろん、表現の手法であったり、他人の思考であったり、様々な物事を知れるのは、とても面白い。

雲英星きらほし学園は、図書室がすごいことで知られている。卓磨が学校を選んだ際の決め手のひとつである。

図書室というよりは図書館と呼んで差支えのない規模のそこには、日本語のもの以外にも、有名な作品の原書が相当数収められている。過去のOBたちが寄贈しまくった結果であった。


卓磨がそんな図書室に初めて足を踏み入れたのは、そろそろ入学から一か月が経とうという頃であった。

本当はもっと早くに訪れるつもりだったのだが、クラスメイト達から「ひとりで校内をさまよってはいけない」と釘を刺されまくったのと、なんだかんだ学園に慣れるまでいろいろ慌ただしかったこともあり、つい後回しになったのだった。

まあ、本を読みに行くだけで絡まれるとかないよね、と無自覚にフラグを立てながら卓磨は図書室へ向かう。

そう。卓磨は、散々釘を刺されたにもかかわらず、ひとりで図書室に向かったのだった。


そして案の定、こうなる。


「貴様なにルール無視をしている…!」

面白そうな本に出会い、ほっくほくで寮に帰ろうとしていた卓磨は、図書館を出てしばらく歩いたのち5人ほどの集団に捕まった。

貴様、と呼び止められたのは初めてで流石坊ちゃん学校だと感心しかけたが、ルール、と言われて首を傾げる。

「え、ちゃんと貸し出し手続きしましたよ?」

ネクタイの色から3年生であることが知れたので敬語で対応した卓磨だったが、違うっ!!と真ん中の先輩に思い切りキレられた。

「ルールその十六っ!!カウンターにっ!折戸女おりとめ様がいらっしゃるときはっ!貸し出しや返却の手続きをしないっ!!!!」

中等部からの常識だろうがっ!!!!と言われて、卓磨は察した。

クラスメイトがみんな優しいので忘れていたが、この学園には所謂”アイドル”と”親衛隊”が存在し、”アイドル”のためなら物理行使も厭わないのが”親衛隊”と呼ばれている。

彼らは、その”オリトメサマ”の親衛隊なのだろう。

「あー、えっと、それはすんません…けど、俺高校からの外部入学で」

「…外部生?」

「そうっす」

それを聞くや、先輩方はトーンダウンする。

「…まあ、それなら知らなくても仕方ない。次からは気を付けるように」

どうやら、話が通じるタイプの親衛隊であったらしい。卓磨は了承の言葉を返しながら、ぽつりと呟いた。

「…でも、俺がもらった虎の巻に“オリトメサマ”なんていなかったような…」

「…折戸女様が、ナニ?」

「ああ、えっと、俺美形とそうじゃない人の区別できなくて、」

「え」

唐突な卓磨のカミングアウトに、目をかっぴらく先輩方。

目ん玉落ちそう、と思いながら卓磨は続ける。

「それだとヤバイからって、クラスメイトが親衛隊持ちの人の写真一通りくれたんすよ。」

だけどその中にオリトメサマいなかったなーって。

「…折戸女様は、写真がお嫌いだからな。我々はどこぞの馬鹿共とは違って、親衛対象の方に迷惑をかけることはしないのだ。」

「なるほど、だから写真が出回っていないと」

「そういうこと。…だけど、美形がわからないって、本当なのか?」

「大まじっすよー、クラスメイトに親衛隊持ちで筑井っているんすけど知ってます?」

「…あ、ああ筑井君か、あそこの親衛隊長とは友人だが」

「俺、自信満々に美形じゃないって断言しちゃって」

「…あの顔を美形じゃないと断言なんて…」

「筑井相手じゃなかったら、親衛隊にフルボッコにされてるぞって言われました」

「…まあ、そうだろうね」

「こわいっすよねー、美形がわかんないだけで生きてけないとか」

そんな感じで己の事情を詳らかにし、オリトメサマについて聞いたりなどしているうちに風紀が駆け付け、その場はひとまず解散となった。


駆けつけた風紀の持田に、しこたま説教を喰らったのは余談である。


折戸女親衛隊:親衛対象には絶対に迷惑をかけないことを隊則にしている。

if文:プログラミング言語。フラグを立ててみた。

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