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ー奈々子とユージー

 奈々子はみどりにもらった「リセット」というハーブティーを入れながら、さっき帰宅し、そのままソファの上に転がっているユージに話しかけた。

 「二次会、三次会なら聞いたことあるけど四次会なんて、みんなよっぽど楽しかったのね。女の子も四次会までつきあった人いた?」

 奈々子は同窓会が終了するとそのまますぐに帰宅したので、その後の話にも興味があったし、一応、昼間のみどりの言葉が多少は気になっていたのだ。それに加え、ユーコが離婚して現在独り身でいることを本人の口から直接聞いていた。離婚当初は相当なダメージだったが、今では再度独身を謳歌していると、表情は明るく生き生きしていた。

 絶秒のタイミングってこういう時にやってくるものだ。やはり探りは入れておいた方がいい。


 「いや、女子は二次会でみんな帰ったんじゃないかな。駿介も仕事があるからと二次会の途中で帰っちゃったよ。まったく、久しぶりだったのにな。でも、まぁ、同窓会に来ると思っていなかったから会えただけマシか。相変わらずカッケーやつだったな。」

 「ほんと、今でも超イケメン!みどりの目がハートになってたよ。ねぇ、駿介君は香梨が来ると思って来たのかなぁ?」

 「ん?」

 「ううん、それはないわね。香梨は絶対に来ない。来ないことは駿介君が一番よくわかってる。」

 「おいおい、あれからもう20年以上経っているんだよ。その間それぞれの人生があったはずだ。若き日の恋愛なんて酸いも甘いも青春の一コマに過ぎないよ。今ではよき想い出になっているよ、二人とも。」

 「青春の一コマ、よき想い出かぁ…。そんなもんかもね!」

 奈々子は少しホッとしている自分に気づき苦笑いした。


 胸の小さな引っ掛かりが取れ、気分が急に晴れやかになった。このハーブティー「リセット」案外効くのかもしれない。本来、心って単純で素直なものだ。

 奈々子はユージに一声掛けて、お風呂に入りにリビングを出た。


 洗面所から奈々子の鼻歌が聴こえてきた。今夜は気分がいいらしい。ユージは安堵して目を閉じた。

 その時、ポケットのスマホの通知音が小さく鳴った。スマホを取り出し画面を見て、数時間前の胸の高鳴りが再び襲ってきた。忘れていた久しぶりにわき出るアドレナリンに戸惑いを覚えながらも、甘い予感を含んだ明日からにドキドキした。


[今日は楽しかったです♪ありがとう。またね]


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