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第92話 今こそ呼び出す時

「僕一人では、真理亜を守り切れない」


 レイアは、弱音を吐いていた。


「何が最強の魔王だ、自分の姉の子供一人守れないくせに」


「レイア様」


 リズは、レイアの弱音をただ何も言わず聞いている。

 すべてを吐き出させた方が良いと判断したからだ。


「前から思っていたさ、襲い掛かる魔族が一人とは、限らない複数で襲い掛かる事だってあり得るんだ、もしそれで僕と真理亜が別行動をしていたらってそう考えると僕がいくら強くても一人では、限界がある真理亜を守り切れない、今回の真理亜の誘拐がその結果だ、僕が真理亜と別行動したから真理亜を危険な目に合わせてしまった、僕のせいだ」


「レイア様、ご自分を責めないでください」


 リズは、心配そうにレイアに言う。


「なあリズ、僕は、どうすればいい? どうすれば真理亜を守れる?」


 レイアは、リズに聞く。

 その声は、普段の魔王レイアとしての風格からは、ほど遠い程弱々しいものだった。


「僕は、真理亜を守りたい、でも僕だけでは、守るのに限界がある」


「でしたら、頼れば良いでは、ないですか」


「え?」


 リズの言葉にレイアは、疑問の声を上げる。


「私以外にも、この人間界に配下を連れてくれば良いのです、レイア様が一言命じてくだされば、配下達は、すぐに来てくれますよ」


「バカを言うな、ただでさえ僕のわがままで人間界に来ているのに、これ以上僕のわがままに配下達を巻き込む事などできない」


 レイアは、自分個人の目的では、配下達を勝手に巻き込む事は、どうしてもできなかった。

 配下達は、レイア個人では、なくレイアが率いる軍の為に動くべきだと、レイアは、思っているからだ。 


「でしたら、レイア様のわがままを第一に優先させる者を呼べばいいのです」


「そんな、都合の良い配下がいるか」


「いるでは、ないですか、自分の事よりもレイア様の事を優先させ、かつ実力がありレイア様に絶対の忠誠を持つ配下達を率いているお方が」


 リズの言葉にレイアは、考える。

 そして。


「・・・・・・なあリズ、まさか」


 レイアは、リズの言った条件に合う配下に心当たりがある事に気づくのだった。


「そうです、今こそ呼びましょう、レイア軍五大幹部の一人魔王の右腕シエラ様を、そしてシエラ様が率いているレイアシスターズを」


 そうリズは、言うのであった。


 五大幹部とは、レイアの配下の最高戦力であり、幹部や部隊長達とは、別次元の強さを持つ大幹部である。


 文字通りメンバーは、五人と少数だがその五人全員がイゴールと同じように魔王に匹敵するほどの実力を持つ。


 シエラは、その五大幹部の一人であり、魔王の右腕と呼ばれている。

 

 そしてレイアシスターズとは、シエラが率いている者達でレイアを姉として崇拝している義理の妹達である。


「確かにシエラなら僕の一声ですぐに来そうだが、あいつは、今休暇を貰って実家に帰っているはずだが」


「レイア様が言えば、休暇を切り上げてすぐに来ると思いますよ?」


「確かにそうだが」


「レイア様、善は、急げです、すぐにシエラ様に連絡しましょう」


 そう言ってリズは、通話の魔法でシエラに連絡をする。


「レイア様、繋がりました」


「ああ、わかった、シエラ聞こえるか?」


 レイアは、シエラと通話するのであった。


「ああ、まあ休暇は、満喫してそうで良かったよ、その何だ、急で悪いが僕の話を聞いてくれないか」


 レイアは、シエラに今自分が何をしているのかを伝える。


「と言うわけなんだが、情けない事に僕一人では、無理があってなできれば人手が欲しいと思うんだが、その・・・急で悪いがシエラその何て言うか」


 レイアは、躊躇してしまう。

 どうしても自分のわがままにつき合わせる事に抵抗があったからである。


「お前が嫌ならそれで良いんだが、もし良かったのなら・・・・・・え? ああ、そう言う事だが、いや、ちょっと落ち着け、そんな簡単に決めていいのか? お前まだ休暇が残ってただろ? え? もう切り上げる? え!? そ、そんな急がなくても良いんだぞ?」


 レイアは、戸惑いを現している。

 何やら話が急展開を向かえそうである。


「ああ、わかった、まあ、そんな急がなくても良いからな、ああ、それじゃ」


 レイアは、通話を終えるのだった。


「どうでしたか、レイア様?」


 リズは、レイアに聞く。


「ああ、その何だ、すぐに色々準備してこっちに来るらしい」


「それは、良かったです、レイア様は、ご自分が思っているよりも配下から人望があるのですから自信を持ってください」


「ああ、そのようだな」


 こうして、レイアは、真理亜を守るための新たな配下を呼び出すのだった。







 


 

 

 

 






 


 

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