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第89話 罪を犯した者の処遇

本日、二話目の投稿です。

「おい、いつまで寝ている? さっさと起きろ」


 イゴールは、ウィザード族のベールに言う。

 たが、いつものイゴールとは、どこか違って何だか怒っているような感じだ。


「・・・・・・んっ」


ベールが目を覚ます。


「ここは?」


「やっと起きたか、おい、何故人間界の人間に迷惑をかける?」


「え?」


「だから何故人間界の人間に迷惑をかけるのか聞いてるんだよ」


 イゴールは、ベールに問う。

 普段は、敬語で話すイゴールも話し方が変わっている。

 それほど、怒っていると言う事だろう。

 いや、もしかしたらこっちの話し方が本来のイゴールの話し方で、人間界に来てから敬語に変わったのかもしれない。


「あんな下等生物に何をしても構わないだろ?」


 ベールは、当たり前のように答える。


「それは、()()()()()()()()ならだ、ここは、我々の世界ではない、人間界と言う別の世界だ自分のいた世界の人間達なら勝手にやっても良いが別の世界であるこの人間界の人間達は、別だ本来なら我々は、この世界にいる事自体有り得ない事なんだ、だがこの世界に来てしまったからには、せめてよその世界の者には、罪人以外は、極力危害を加えないようにするのが筋だろ?」


「何故私が、下等生物に気を遣わなければならない?」


「下等生物? お前この世界を見てそう言えるのか? この世界の人間達が作り出した物を見てそんな事が言えるのか? お前にとっては、この世界の人間も下等生物に見えるのか?」


 イゴールは、静かに聞いてるが完全に怒ってると見ていいだろう。


「ハッ、何を言うかと思えば、確かに色々あるが所詮は、人間だろ? しかもこの世界の人間は、魔力も持たないんだろ? なら下等生物だろ? そんな下等生物を私の魔法の実験に使って何が悪い? むしろ下等生物が私の魔法の実験に選ばれて私の役に立てる事に感謝してもらいたいな」


「・・・・・・」


 イゴールは、黙る。

 その目は、もはやベールを完全にゴミ以下を見る目だった。


「イゴールさん、私もうこの魔族を殺したい気分なんですけど」


 フィオナは、冷静をかろうじて保っているが、言っている事からギリギリの状態と言えるだろう。


「レイア様、このクズは、生かす価値もありません、命じてください殺せと」


「待てリズ、殺すと面倒な事になる」


「ですが」


「リズもフィオナも早まるな、気持ちは、わからなくもないがイゴールどうするんだ? 正直僕もこいつは、このまま解放しようとは、思わないぞこいつは、必ず同じ事を繰り返す」


 リズとフィオナは、今にもベールを殺しに掛かりそうだが、レイアは、冷静でいた為、イゴールにどうするかを問う。

 長く人間界にいたイゴールならこういうのも、どうするかを知っているかも知れないと考えたからだ。


「・・・・・・ええ、私に任せてくださいレイア様」


 そう言い、ベールに向かって行く。


「おい、最後に聞くが自分のした事に関して、罪悪感は、ほんの少しでもないのか? 反省する気は、ないのか?」


 イゴールは、ベールに問う。

 まるでこれが最後のチャンスだと言うように。


「私が? 何故反省を? そんな事をした覚えが全くないのだが」


 ベールは、自分が罪を犯したとは、思っていない。

 故に反省する気もない模様。


「そうか、わかった、・・・・・・松来(まつき)さん!! ちょっと来てくれ!!」


 イゴールは、大声で誰かを呼ぶ。

 そして、少しして。


徳本(とくもと)さん、呼びました? 何か用ですか?」


 一人の女性が現れたのだった。





 

読んでいただきありがとうございます。

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