第88話 決着と後始末
「な、何故効かない!?」
ベールは、混乱していた。
自分の魔法を受けて何故何ともないのか。
それがわからなかった。
「教えてあげますよ、私は、自分に状態異常を無効化する魔法を掛けていたのですよ」
リズは、ベールに説明をする。
「状態異常を無効化だと?」
「はい、その名の通り、毒や麻痺、又は、洗脳や操作などと言った自分に害をなす状態を無効化させる魔法です」
「そんな魔法いつ使ったんだ?」
「最初にここに来た時からですよ」
リズは、ここに来る前に相手が状態異常の魔法を使うとわかっていたため、自分に状態異常無効化の魔法を掛けていたのだ。
「最初からわかっていたのか?」
「当然です、最近人間界で起こった不可解な事件、態度が急変し仲の良かった者同士が、大喧嘩を始める、何よりあなたの最大のミスは、魔法を掛けた相手をそのままにした事、おかげで魔力が残っていたため、相手が状態異常の魔法を使う相手だと予測できました、そこまでわかっていて何もせず来るわけがないじゃないですか」
リズは、淡々と説明をする。
しかも、どこか馬鹿にしたような言い方で。
「貴様!!」
馬鹿にされたと感じたベールは、魔法を使おうとするが。
「ああ、もういいので、終わりにしましょう」
そう言ってリズは、雷属性の魔法を放つ。
「あががががががががががががががががああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
雷がベールにあたり感電する。
しかも、先程水属性魔法を受けたのでより雷の威力が増し、ベールは、感電してしまい気絶した。
「さて、始めますか」
リズは、気絶したベールの頭に手を置き記憶を見る魔法を使う。
記憶を見た後リズは、少し考える、そして。
「とりあえず、レイア様の所に戻りますか」
ベールに拘束魔法を掛け拘束し、リズは、レイアの元に戻るのだった。
~side 理事長室~
「レイア様、ただいま戻りました」
「戻ったか、早かったな」
「ええ、取るに足らない雑魚でしたので」
そう言ってリズは、拘束したベールを見せる。
「この魔族は?」
「一連の事件の主犯者と言ったところです、理事長」
「ええ!?」
「こいつは、ウィザード族か?」
「はい、どうやら一連の事件は、このウィザード族が起こしたものです、本人が新しく生み出した魔法の実験だと言ってましたので」
「実験ですって? そんな事に我が学園の生徒だけでなく他の一般人を」
フィオナは、冷静な顔をしているが中身は、絶対に怒っている事がわかる。
「それで、こいつは、真理亜を狙っていたのか?」
「いえ、関係ありませんでした」
レイアの問いにリズは、首を横に振って答える。
「そうなのか?」
「記憶を見ましたので間違いありません、どうやら自分で勝手に新しく生み出した魔法を人間達を使って試しに実験していたと言う感じですね」
「そうか、関係ないか」
「はい、それでレイア様、このウィザード族をどうしますか?」
リズは、ベールの後始末をどうするかを問う。
「そうだな、そいつが特に人間界の人間に害をなす存在じゃなければ、良かったのだが」
「それは、無理ですね、何故なら彼自身が仲間割れなどと言ったものを見て楽しんでいたので、このまま野放しには、できませんね」
「だとしたら、どうすればいいんだ?」
困ってしまったレイアとリズ。
「それでしたら、イゴールさんに聞いてみては、いかがですか?」
とここでフィオナが提案を述べる。
「イゴールに?」
「はい、イゴールさんならこの世界も長いですし、この世界に来た者達にも彼のように迷惑を掛ける者がいたと思いますし、そういう者達をどうすればいいか、イゴールさんなら知っているかと」
「なるほど、なら早速行くか」
「そうですね」
「私も一緒に良いですか? 元々この世界の者でない私達がこの世界の人間に迷惑を掛けるとどうなるのかを知っておきたいので」
「わかった、なら一緒に行こう」
フィオナの提案を受け、レイア達は、イゴールの所に行くのだった。
~side イゴールの家~
「イゴール、いるか?」
「はい、おや? レイア様どうしましたか? それにフィオナさんも」
「イゴールさん、急に押しかけてごめんなさい、でも私達だけでは、どうすればいいのかわからなくて」
「何かお困りの様ですね、話を聞きましょう」
フィオナは、イゴールにここに来た経緯を説明する。
「なるほど、それでその馬鹿な魔族は、どこにいるのですか?」
「ここにいます」
そう言ってリズは、拘束しているベールを床に置く。
「こいつですね? わかりました、おい、いつまで寝ているんだ? さっさと起きろ」
イゴールは、どこか怒り気味に言うのであった。
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