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第83話 何でも良いから止めてくれ

 教室が騒がしい事に気づいた真央達は騒いでいる場所に行くのだった。


「ん? 何だ?」


「何か喧嘩をしているみたいですね」


「喧嘩ってあれ? ちょっと待って」


「え? 何であの二人が」


 真理亜達は驚いている。


「あの二人って、(たちばな)さんと水橋(みずはし)さんだっけ?」


「うん、そうあっちの活発そうな子が橘実里(たちばなみのり)さんで、あっちの大人しそうな子が水橋花音(みずはしかのん)さんだよ」


 真央の質問に亜子が答える。

 

「何だか喧嘩しているみたいだが」


「いや、喧嘩しているとしてもこれはおかしいぞ」


「どこがどうおかしいんだ?」


「実里さんと花音さんは幼馴染でとても仲良しなんです、ですが、実里さんは感情的になる事もあるのでこうなってもおかしくはないのですが花音さんまであんなに感情的になるのはおかしいんです」


 真央の疑問に唯が答える。


「そうなのか?」


「はい、いつもなら感情的になった実里さんを花音さんが宥めて大人しくさせていたんです」


「そう、例えるなら暴れ牛とそれを颯爽とかわすマタドールのようなものだね」


「いや、何だその例え?」


 亜子の例えに沙月がツッコム。


「ですから、花音さんまで感情的になるのは初めてなんです」


「なるほど、それにしても唯は二人の事よく知っているな」


「そりゃそうだよ、五十嵐さんと私と橘さんと水橋さんで情報クラブを週一で集まってやってるからねぇ」


「情報クラブ?」


 亜子の言葉に真央は問う。


「ああ、宇界さんは転校してきたから知らないんだっけ? この学園には小学生ではクラブ活動ってものがあって、授業が終わった放課後に野球とかテニスとかしている人達を見ない?」


「ああ、そう言えば」


「その人達は野球クラブやテニスクラブと言うクラブに入っていて小学四年生から入る事ができるんだよ、と言っても小学生が遅い時間までいるわけにはいかないから授業時間が少ない水曜日だけ学校で活動しても良いんだよ、それ以外の時は家とかで自主的に行うって事になるけどね」


「なるほど」


「で、私と五十嵐さん、それと橘さんと水橋さんの四人で情報クラブと言うクラブ活動をしてるんだよ、主な活動は、まあ何でも良いから気になった事を調べて水曜日に皆で集まって調べてきた事を発表したりする感じかな」


「そうか、唯が水曜日だけ一緒に帰らなかったのはそう言う事だったのか」


「はい、不思議な事とかを調べたりするのに夢中になっていた時、亜子さんに誘われて少し見学したら面白そうだったので入る事にしたんです、その時に実里さんと花音さんにもお会いしてお二人の関係も知ったのです」


「なるほど」


 真央は納得する。


「でも、あの二人がここまでの大喧嘩はさすがにマズいねぇ、我々情報クラブ内部崩壊の危機だ、五十嵐さん止めに行くよ」


「はい」


 唯と亜子は止めに入る。


「僕達も行こう」


「そうだな」


 真央達も続くのだった。




「何よ!! 私の事馬鹿にして!!」


 橘実里、活発そうな女の子で花音とは仲良しの幼馴染である。


「別に馬鹿になんてしてないよ!!」


 水橋花音、大人しそうな女の子で実里とは仲良しの幼馴染である。

 だがそんな二人は今とんでもない大喧嘩をしている。


「そうやって、私が何か怒ると優しく落ち着かせようとするけど、本当は心の中で私の事ずっと馬鹿にしてたんでしょ!!」


「そっちだって、心の中で私が優しくする事をウザいって思ってるんでしょ!!」


「はあ!? そんな事思ってないし!! 勝手に決めつけないでよ!!」


「そっちこそ!!」


「はいはい、橘さん落ちついて」


「花音さんも落ち着いてください」


 亜子は実里を唯は花音を抑えに入り落ち着かせようとする。

 しかし、それでも二人は落ち着く気配がない。


「もういい!! 花音なんか大っ嫌い!!!」


「私だって!! 実里ちゃんの事なんか大っ嫌いだよ!!!」


「ちょ、ちょっと!?」


「花音さん!?」


 実里と花音の喧嘩はヒートアップする。


「ねえ、やっぱりおかしいよ」


「ああ、いくら何でもあの二人がここまでなるなんてありえない」


「実里ちゃんも花音ちゃんもとても仲良しなのにどうして」


 見ていた真理亜達もおかしい事に気づく。

 他の生徒達もどうしたらいいか困っている。


「もう、何でも良いから、誰か止めてくれ」


「大人しくさせれば良いのか?」


 真央は沙月に問う。


「え?」

 

「大人しくさせられるなら、何でも良いのか?」


「できるのか?」


 沙月は真央に問う。


「大人しくさせるなら、やり方はいくらでもあるぞ」


「・・・・・・真央できれば痛いの以外で大丈夫な程度で頼む」


「わかった」


 そう言って真央は喧嘩している二人の元に向かう。


「宇界さん?」


「真央さん?」


 亜子と唯が気づくが真央は気にせず実里と花音に近づき。


「フッ」

 

 手を手刀のような形にして実里と花音の首筋に当て二人を気絶させるのだった。

 

「これで良いか?」


 真央は問う。

 しかし皆驚きで声が出ない状態だった。






 

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