第80話 そして、いつもの日常へ
本日、二話目の投稿です。
「んっ・・・んんっ」
朝になり真理亜は、目を覚ます。
「起きたか?」
隣には、真央がいる。
「あれ? 真央ちゃんが何で・・・・・・そうか私、真央ちゃんの家に泊まったんだっけ」
何故自分がここにいるのかを真理亜は、思い出す。
「おはよう、真央ちゃん」
「ああ、おはよう、真理亜」
笑って挨拶をした真理亜に真央も笑って挨拶をするのだった。
顔を洗い歯を磨く二人。
歯を磨き終えた二人は、リビングへと向かう。
「真央さん、真理亜さん、おはようございます」
リビングでは、リズが朝食の用意をしていた。
「おはよう」
「おはようございます、リズ先生」
二人は、挨拶をする。
「では、いただきましょう」
「「いただきます」」
そして朝食を食べ始める。
「美味しいです」
「それは、良かったです」
「・・・・・・」
真央は、真理亜を見るが特に変わった所は、無い。
それでも真央は、確認をしなければならなかった。
「真理亜、昨日の事は、覚えているか?」
「昨日の事?」
「ああ、昨日あんな事があっただろ? 何か覚えていないかと思って」
「あ、そうか、えーと」
真理亜は、昨日の事を思い出そうとするが。
「あれ? 何があったんだっけ?」
「覚えていないのか?」
「うん、誘拐されたのは、覚えてるんだけど、その後の記憶が無いの、目が覚めて真央ちゃんの家に泊まったのは、覚えてるんだけど」
「そうか、思い出せないならそれで良いさ無理に思い出す必要もない」
「うん、そうだね」
そう言って真理亜は、再び朝食を食べる。
真央は、リズを見る。
リズは、頷く。
記憶の改変は、成功したようである。
とりあえずその事にレイアとリズは、安堵するのだった。
朝食を食べ終えしばらくすると、インターホンが鳴りリズが向かう。
「真理亜さん、家の人が迎えに来ましたよ」
「あ、はい」
真理亜の家の人が迎えに来たので真理亜は、帰る事になった。
「じゃあね、真央ちゃん」
「ああ、また学校で」
「うん」
真理亜は、車に乗り家へと帰って行った。
「では、レイア様、私達も準備をしましょう」
「そうだな、これから警察に行かないといけないしな」
今日は、警察で事件について詳しく話をしなければならない。
一応事件の被害者である真理亜と何故かは、わからないが警察が真央にも聞きたい事があると言うので、今日二人は、学校を休むのであった。
次の日。
真理亜が教室に入ると彩音達が一斉に真理亜に抱き着く。
「うわあああああああああああああああん!! 真理亜ちゃん!! よがったよおおおおお!! うわあああああああああああああああん!!」
「ああ、無事で良かった」
「本当に良かったです」
三人は、涙を流して真理亜に抱き着き、無事な事に安堵する。
「皆、心配かけてごめんね」
真理亜も涙を流して彩音達に抱き着く。
それを見た真央は、良かったと思い笑って見ていた。
「真央もありがとうな」
「?」
「うん、真央姉さんありがとう」
「ありがとうございます、真央さん」
「え? ちょっと待て」
真央は、混乱していた。
「何で皆、僕に礼を言うんだ? わからないぞ」
「だって、アンタあの時真理亜を助けに行こうと追いかけて行っただろ? その事だよ」
「ああ、あの時かでも実際に助けたのは、リズであって僕が助けたわけじゃないぞ、リズに言うならわかるが何で僕に?」
あの事件については、子供の姿のレイアが助けたのは、おかしいので大人のリズが助けたと言う事になっている。
なのでお礼を言われるのは、リズであって真央では、ない。
あの時、追いかけて行っても結果的に助けたのは、リズであるなら何故お礼を言われるのか、真央は、わからなかった。
「確かに助けたのは、リズ先生だけどそれでもあの時、真央が追いかけて行った時、嬉しかったんだ」
「え?」
「うん、私達真理亜ちゃんが誘拐された時、ただ泣く事しかできなかったから」
「はい、私達は、何もできなくてどうしたら良いかわからなくて、でも真央さんは、追いかけて行ったんです、立ち止まる事無く何も迷わずに友達を助けたい為に追いかけて行ったんです」
「友達なのにあの時追いかけられなかったのが情けなくて、でもアンタは、追いかけてくれたから、だからありがとう、私達の大切な友達を助けに行こうとしてくれて」
「ありがとう、真央姉さん」
「ありがとうございます、真央さん」
「真央ちゃん、私もありがとう」
「・・・ッ」
皆からお礼を言われて真央は、何だか落ちつかない気持ちになっていた。
「でも、真央やっぱりアレは、危ない事だと思うぞ」
「え?」
「そうだよ、真央姉さんいくら真央姉さんが凄くても相手は、大人なんだから危ないよ」
「そうですね、そう言うのは、警察など同じ大人の人に任せた方が良いですよ、真央さんまで危ない目にあったら私達は、もっと悲しみますからね」
「うん、私も聞いた時は、嬉しかったけどでもやっぱり危ないからしちゃダメだよ」
皆から注意されてしまう真央。
それを聞いた真央は。
「わかった、以後気を付けるよ」
素直に反省するのだった。
それを聞いた真理亜達は、笑うのだった。
こうしていつもの日常は、戻ってきたのである。
読んでいただきありがとうございます。




