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第79話 せめて今夜は、良い夢を

「うわあああああああ、こっ・・怖かった!! 凄く怖かったよおおお!! うわああああああん!!」


 誘拐され、怖い大人達と一緒にいた事。

 幼い真理亜にとっては、怖いと感じるのも無理もない。


「真理亜」


 真央は、真理亜を抱き寄せ。


「大丈夫だ、もう大丈夫だから」


 真理亜の頭を優しく撫でながら、真理亜が泣き止むまで抱きしめるのだった。











「・・・・・・グスッ」


 今、真央と真理亜は、一緒の布団で寝ている。

 泣き止んだ後、疲れたのか、そのまま真理亜は、寝てしまったのだ。


「レイア様、真理亜様は?」


「今は、眠っている、だがまだ泣いては、いるがな」


「無理もありません、あんな怖い思いをしたのですから」


「そうだな」


 レイアは、真理亜の頭を優しく撫でる。


「リズ」


「はい」


「記憶を改変させる事ができる魔法があったな?」


「はい、記憶の改変魔法がありますが、レイア様、まさか」


 リズの言葉にレイアは、頷き。


「ああ、真理亜の今日の記憶を一部分改変してくれ」


 レイアは、そう言うのだった。


「よろしいのですか?」


「ああ、できればこう言うのは、あまりしたくないが、こんな記憶真理亜には、必要ない消した方が良いだから頼む」


「承知しました、どのように改変させますか?」


「そうだな、誘拐されてから、気を失ってしまって目覚めた時には、誘拐されたのは、わかるが何があったかは、全く覚えていないと言う感じにしてくれ」


「わかりました、では、早速始めます」


 リズは、真理亜の頭に手を触れ記憶の改変魔法を発動させる。


「終わりました、レイア様、これで真理亜様には、誘拐されてから目覚めるまでの間の記憶は、ありません」


「そうか、ありがとう」


「では、レイア様、おやすみなさいませ」


「ああ、おやすみ」


 そう言ってリズは、自分の寝床に戻って行く。


(さて)


 レイアは、真理亜の頭に触れる。


(怖い思いをしたからその恐怖心の影響なのか、封印が少し解けてるな、封印し直さないと)


 レイアは、再度真理亜に魔力を注ぎ込み封印をする。

 真理亜の中にある魔力を表に出さないために。


(良し、封印完了だな)


 真理亜の魔力を封印したことにより、真理亜の魔力は、完全に感じなくなっていた。


「・・・・・・」


 レイアは、真理亜の頭を優しく撫でている。

 まるで愛おしいものを撫でるように。


(ごめん、真理亜、お前に怖い思いをさせてしまった)


 レイアは、心の中で真理亜に謝罪をする。

 

「うっ・・・・・・ママ」


 真理亜は、レイアの服を掴み寝言を言う。


(ママって姉貴の事か)


 ママと言う言葉。

 おそらくそれは、真理亜が今暮らしている家の母親では、なく真理亜の本当の母親レイラの事だとレイアは、思った。


「真理亜」


 レイアは、真理亜を見る。


「僕は、お前のママじゃないんだ」


 そう言ったレイアの顔は、どこか悲しそうだった。

 レイラがいたら真理亜の心を安心させられるのに。


(ごめん姉貴、真理亜を怖い目に合わせてしまって、真理亜を守るって決めたのに)


 真理亜を守るために人間界に来たが真理亜を守れず怖い思いをさせてしまった事にレイアは、後悔していた。


(もう今日みたいな失敗は、二度としない今度は、絶対に真理亜を守る)


 レイアは、固く決意する。


「目が覚めたら、もう大丈夫だからな」


 レイアは、そう言って真理亜の額にキスをする。

 幼い頃に怖い事があった時、寝る前に母がこうやっておまじないをしてくれた事を思い出したレイアは、真理亜に同じようにしたのだった。


「せめて今夜は、良い夢を」


 それは、レイアが心から思った事だった。



 





 


 

 


 













読んでいただきありがとうございます。

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