第78話 事件の終わり
本日、二話目の投稿です。
レイアは足を上げ、男の顔を踏み潰すように下ろしたのだった。
当たれば男の顔は誰かも判別できないくらいにグチャグチャになっていただろう。
だが。
「殺すと思ったのか? バカが」
レイアは寸前のところで足を止めている。
「僕はこの世界の者じゃないからな、せめてこっちの世界の者は殺さないでおいてやる、真理亜達に合わす顔がなくなるからな」
そう言ってレイアは足をどける。
そして、男の顔を見るが。
「・・・・・・気を失っているのか?」
あまりの恐怖だったのか男は泡を吹きながら気絶していた。
「まあいい、さて」
レイアは他の三人の男の方を向く。
「次はお前達だ」
「ま、待ってくれ!!」
「俺達が悪かった!! 反省もしている!!」
「もうこんなバカな事はしないから!!」
男達は許しを請おうとするが。
「・・・・・・ダメだな」
レイアはそう言って男達に向かって行く。
「「「うわああああああああああああああああああああああああー!!!」」」
男達の悲鳴が響くのであった。
「・・・・・・う・・・ん?」
真理亜の意識が戻り目を覚ます。
「大丈夫か? 真理亜」
「真央ちゃん? あれ、私何で・・・」
真理亜は自分に何が起きたのかをゆっくりと思い出す。
「あ、私確か知らない人達に誘拐されて、それから・・・」
「無理に思い出さなくてもいい、誘拐犯なら今警察に連れて行かれているから」
真央はそう言って顔を向ける。
その方向を見ると真理亜を誘拐した男達が警察に連れて行かれている最中である。
男達を全員気絶させた後すぐに警察に連絡したのである。
しばらく待っているとリズが戻って来る。
「お待たせしました」
「どうだった?」
「はい、事情聴取をする事になりましたが、真理亜さんも精神的に疲れていると思いますので、今日はこのまま帰って明日また聞くと言う事になりました」
「そうか」
「真理亜さん、今日はもう遅いですので今夜はこのまま私達の家に泊まってもらいますが良いですか?」
「はい、わかりました」
こうして真理亜は無事に救われ事件は終わりを迎えるのだった。
家に着き真央と真理亜は一緒にお風呂に入りリズは食事の用意をするのだった。
「今日はもう遅いので簡単なインスタントのラーメンでごめんなさい」
「いえ、大丈夫です」
「家の方には先程私が連絡しておきました、明日の朝には迎えが来るそうですよ」
「はい、ありがとうございます」
「真理亜食べよう、お腹空いてるだろ?」
「うん、いただきます」
真理亜はラーメンを食べる。
「おいしい」
「そうか」
そう言って真央もラーメンを食べる。
しかし。
「・・・・・・」
「真理亜?」
真央は真理亜の様子がどこかおかしい事に気づく。
そして。
「真理亜!?」
「真理亜さん、どうしました!?」
「え?」
気づくと真理亜の目からは涙が零れていた。
「あれ、おかしいな? 何で?」
涙を拭こうとするが涙は次々と零れて止まらない。
「真理亜」
真央は真理亜の肩に手を置く。
「いいんだ、もう我慢しなくて」
真央のその言葉を聞き真理亜は。
「うっ、うわあああああああああああああああん!!」
まるで今まで溜まったものを吐き出すかのように泣き出すのだった。
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