第70話 家庭訪問 3 魔王初めての家庭訪問
部屋のインターホンが鳴り、リズが向かう。
「はい」
「担任の一条です、家庭訪問に伺いました」
「今、開けますので待ってください」
リズは、部屋の鍵を開け一条先生を中に招く。
「お邪魔します」
一条先生は、真央の待つ場所へと向かう。
「ごめんなさい、宇界さん予定より遅れてしまって」
「いえ、大丈夫です」
一条先生は、向かい合う様に真央の前に座る。
「お疲れ様です、お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
リズは、一条先生にお茶とお菓子を出し、真央の隣に座る。
「では、さっそく家庭訪問を始めたいと思います」
「「よろしくお願いします」」
「まずは、宇界さんの学校での事について話しますね、リズ先生も学校にいますがクラスでの宇界さんについては、英語の授業以外では、あまり見られないと思いますので」
「そうですね、一条先生から見た真央さんを聞きたいですね」
「わかりました、まず成績についてですが宇界さんは、問題なく良い成績を出しています、外国から引っ越したと言うので授業についてこれるか不安もありましたが問題なくついてこれています、普段から勉強は、良くするのですか?」
「はい、真央さんは、宿題以外にもその日習った事を復習して勉強をしていますね」
「なるほど、授業態度も悪くありませんし成績や授業について問題は、無いと思います」
「そうですか、友達関係などは、どうですか?」
「宇界さんは、クラスの人気者ですね」
「そうなのですか?」
「はい、勉強もできて運動もできますし、何より宇界さんは、冷静で何事にも動じないので、クラスの皆からは、かっこいいと思われていますよ」
「まあ」
リズは、真央を見る。
その顔は、本当に良かったと安心した感じの笑顔だった。
「特に高梨さん達と一緒にいる事が多いですね」
「真理亜さん達とは、特に仲が良いですからね、ゴールデンウィークでも遊びに行っていましたから」
「そうですか、授業も友達関係も私から見た感じは、問題ありません、宇界さんは、ちゃんと学校生活に溶け込んでいますね、学校での宇界さんは、こんな感じですね」
「そうですか、真央さんが学校生活を楽しんでいて何よりです」
「では、次は、家での宇界さんについて聞いてもよろしいですか?」
「はい、わかりました」
次は、リズが家での真央について話す。
「先ほども言った通り家では、真央さんは、帰ってきたらまずその日に出た宿題をしますね、そして宿題が終わったらご飯ができるまで時間に余裕があったら、その日の授業内容の復習をしていますね」
「そうですか」
「それから、ご飯の時は、その日学校で何があったかを話してくれますね、その時の真央さんは、楽しそうでした毎日充実しているみたいですね、家での真央さんは、大体こんな感じです」
「宇界さんは、家でも学校でも特に心配事は、ありませんね」
「はい、そうですね」
「では、次に聞きたい事は、宇界さんの前に住んでいた国での生活について何ですが」
一条先生の次の話内容に真央とリズは、来たかと言うような反応を見せる。
「こんな事聞く必要ないと思うかもしれませんが担任として生徒の事は、ちゃんと理解しておかないといけませんから宇界さんの前の国での生活について聞いてもよろしいですか?」
「どうします、真央さん?」
リズは、真央に問う。
真央の事について聞いて良いかを決めるのは、あくまで真央自身である。
「はい、大丈夫です」
真央は、一条先生にそう答えるのだった。
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