第69話 家庭訪問 2 準備をする
今日は、家庭訪問初日。
真央の順番は、初日の最後である。
「時間通りなら、そろそろ一条先生が来るはずだな」
「ですが、時間通りとは、限りませんね」
「そうだな、生徒によっては、時間が長くなる事もあるしな、だが準備は、しておいた方が良いだろう」
「承知しました」
リズは、お茶の用意などを始める。
「それにしても、担任の先生が生徒の家に行き保護者と一緒に話したりするのは、良いと思いますね」
「ああ、先生は、生徒の家での態度を知ることができて、親は、子供が学校でどのように過ごしているかを知ることができるからな」
「私達の世界でもあれば良いのですが、難しいでしょうね」
「そうだな、一般の者ならともかく貴族生まれの者は、まともな奴なら大丈夫だがバカな奴はな」
「ですが、もし家庭訪問があったら魔王様も王妃様も早くレイア様の事を・・・・・・ハッ! 申し訳ありません!!」
言っている途中でリズは、自分がとんでもない事を言っている事に気づきすぐにやめレイアに謝罪する。
「気にするな、お前がそう思うのも仕方ない」
「ですが」
「過ぎた事は、もうどうする事も出来ないだろ? 大事なのは、次にどう生かすかだろ?」
「レイア様・・・はい、その通りです」
レイアの言葉にリズは、納得の意を示す。
「それよりも、今の問題は、一条先生から聞かれる内容だな」
「そうですね、おそらく私達がここに引っ越す前の場所について聞いてきますね」
「一応それなりの答えは、用意しているが果たして乗り切れるかどうか」
「そうですね、気を引き締めていきましょう」
そしてレイアとリズは、一条先生が来るのを待つのだった。
~side 一条先生~
「最後は、宇界さんの所で今日の家庭訪問は、終わりね」
一条先生は、真央の家に向かっていた。
「少し遅れているから、急がないと」
他の生徒の所で話す内容とかが長引いたりもしたため急いで真央の家に向かうことにする。
「ええっと、宇界さんは、確かお父さんとお母さんとお姉さんがいたけどご両親が亡くなってしまって今は、英語のリズ先生が保護者代わりをしているのよね、お姉さんも亡くなっていると言うし、一応担任として聞かなければいけないけど、気を付けて発言しないとね」
真央の書類を見て考える一条先生。
生徒思いの先生である。
「あ、このマンションね」
一条先生は、真央の住むマンションに着き真央の住む部屋を確認する。
「それじゃ、行きますか」
確認をした一条先生は、真央の部屋に向かう。
もうすぐで真央の家庭訪問は、始まるのだった。
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