第67話 ゴールデンウィーク 14 もはや過ぎた事
レイアがずぶ濡れで帰ってきた事に驚いたリズにレイアは、説明した。
「まさか、真理亜様の命を狙う魔族と出くわしたとは」
「まあ、問題なく終わったから大丈夫だ、その魔族も二度と真理亜を狙わないと言っていたしな」
「それにしても、レイラ様がこの世界に迷い込んだ元の世界の方達を見つけては、面倒を見ていたとは」
「優しい姉貴らしいと言えば、姉貴らしいけどな」
「そうですね」
レイアとリズは、そう言って笑い合う。
「それからギギル、ああ、その魔族の名前だけど僕が通っていた学園の同学年だったらしい」
「そうなのですか?」
「ああ、それから聞いたよ僕がいなくなった後で姉貴が学園でした事を」
「レイア様、それは」
「家庭の事情で学園をやめた事、おそらく裏切者によって父と母が殺され姉貴が魔王を継ぐ事になったからだろ?」
「はい、その通りですレイア様」
リズは、肯定する。
「やはり、そうか」
「レイア様、まさかご自分のせいだと思われてますか?」
「!!」
リズの指摘にレイアは、図星をつかれた顔をする。
「だが、そうだろ? 僕が家出をしなければ僕が我慢し続けていればあんな事には、ならなかった」
「仮にそうだとしても、それだとレイア様の心は、いつか必ず壊れていましたよ」
「そんなことは・・・」
レイアは、言葉に詰まる。
今の自分なら大丈夫だがその時の自分だったらと言う考えが頭をよぎったからだ。
「いや、多分壊れていたかもしれないな、だがそれでも」
「レイア様、過ぎた事は、もうどうする事も出来ませんそれに責任を感じるなら我々だってレイア様に誰か一人でも味方になっていればと誰もが後悔しています」
「リズ」
「ですからもう何もかも自分が悪いと思わないでください、我々のせいだと思うのならそれで構いません、レイア様が自分を責め続けている姿を見ると我々も辛い気持ちになります」
リズは、真剣な顔で自分の意思をレイアに伝える。
「わかったよリズ、すまない」
「いえ、それよりレイア様、真理亜様達とのお出かけは、楽しかったですか?」
「ああ、すごく楽しかったよ、休み明けの学校も楽しみだ」
「そうですかそれは、良かったです」
レイアとリズは、互いに笑い合っていた。
そして数日が過ぎゴールデンウィークも終わり、学校が始まるのだった。
~おまけ~
「レイア様、この未確認生物の本に魔族と思われるものがいくつかあるのですが」
「やはりお前もそう思うか」
未確認生物の本を見たリズもレイアと同じ感想を抱いたのだった。
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