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第4話 魔王は真偽を確かめに人間界へ

「何だと?」


 アイシスの言葉にレイアは驚く。


「姉貴は確かに死んだはずだ、お前が死体を運んできて僕は確認した間違いなく姉貴だった」


「ええ、その後すぐに人間界へと運ばれましたが確かにレイラ様でした私や他の幹部達も確認しましたから間違いありません」


 レイアの言葉にリズも同意を示すように言う。


「そうね、確かにレイラの遺体は私が運んでアンタ達に見せたわ、その後人間界に運んで元の場所に戻した」


 レイアが姉の死を知ったのは三、四年くらい前の話。

 レイラがいなくなってから、女神族と接するようになりその時にアイシスに時間がある時でいいから様子を見てほしいと頼みレイラの人間界での暮らしをアイシスから聞かされていた。

 

 だが女神も女神で忙しいので報告はごくたまにしか聞かされていなかった。

 そのため亡くなったと聞かされた時にはすでに墓に埋めていた後なので最初はレイア達も信じなかったので仕方なくアイシスは人間界に行きレイラの墓にある遺骨だけを取り出しそれをレイア達の前で復元させた事によりレイア達もレイラの死を受け入れるしかなかった。


 その後遺骨に戻し元の墓に戻した。


 本来女神である彼女のした事は死者への冒涜になるのは彼女自身わかってはいるがそれでもそうい言う行動をしたのは彼女自身レイアには友情のようなものがあったからだ。


 レイアと一緒に話しているうちに彼女はレイアの事を友達として感じるようになっていた。

 だから彼女の行動は女神とか魔族とか関係なく純粋に友達を思っての行動だった。


 しかしだからと言って彼女のした事は許されない事かもしれないしレイア達のその時の気持ちを考えると本当にこれが友達のためになっているのかと言う思いもあるだろう。


 しかしそれでも彼女が行動したのは友達であるレイアに嘘をつきたくないと言う思いなのかもしれない。


 そしてレイアもアイシスには友達のような思いがあったからこそ彼女の行動で彼女に対する信頼のようなものがあった。


「だったら、姉貴と同じ魔力を持った子が存在するのは有り得ないだろ?」

 

 そう、だからこそ疑問を口にした。

 アイシスはこんな嘘をついたりはしないから。


「そうね、でも本当の事なのよ。何となく人間界を見てたら同じ魔力を持った子が確かにいたのよ」


「じゃあ、その子は何なんだ?」


「可能性としては()()()()()()かもしれない」


「姉貴の?」


「そうとしか考えられないわ、子供なら親と同じ魔力を持っていても不思議じゃないし」


 アイシスの考えにレイアも考える、確かに子供なら姉と同じ魔力を持っていても不思議じゃない。


「だったら何で今まで気づかなかった?」


 レイアの疑問は尤もだった、知り合いの魔力と同じものならなぜ今まで気づかなかったのか。

 ましてや上位の女神なら気づかないはずがない。

 

「そこまではわからないわ、レイラが生きていた時も感じなかったし死んだ後の時も感じなかった、何故か突然現れたとしか言いようがないくらいだったのよ」


 アイシスの話では人間界でのレイラの様子を見ていた時にはレイラが一人でいる時しか見れなかったから子供がいることは知らなかったらしい。

 ただそれでも子供がいるなら魔力は小さいながらも気づけたはずだがそれが全くなくレイラが死んだ後も感じなかったがここにきて急にレイラと同じ魔力を感じ取れたらしい。


「とにかく、確かに伝えたから、信じられないなら人間界に行ってみるといいわ」


 アイシスはそう言いながら席を立つ。


「ノルン、帰るよ」


「は、はい」


 ノルンに呼びかけ帰還の魔法を発動する。


「レイア」


 と呼びかけ一枚の紙を渡すアイシス。


「魔力を感じた場所は人間界のニホンと呼ばれる国よ。具体的な場所とかはその紙に細かく書いてあるから、あとはアンタの好きにする事ね」


 そう言ってアイシスはノルンと共に帰還した。


 部屋には静寂が流れ。


「レイア様、いかがなさいますか?」


 その静寂を切るようにリズが問いかける。


「・・・・・・」


 レイアは目を閉じて少し考え込む、そして。


「アイシスは嘘をついていない、だがこの目で見なければ納得できない、だから今から人間界に行く」


 レイアは人間界に行く決意をする。


 







 





読んでいただきありがとうございます。


次回からレイアは人間界に行きます。


そして、今回の話でアイシスが墓荒らしのような事をしたシーンがありますが本当は絶対してはいけない事なので。

絶対に真似などはしないよう、よろしくお願いします。

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