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第62話 ゴールデンウィーク 9 色々な所に行ってみよう

 真央の服を選ぶのとお昼にカレー屋で特大デカ盛りカレーを食べたと言う衝撃的な事もあり、色々疲れたため、町を行くのは、明日にすることになり真央達は、そのまま帰ることになった。

 

 そして次の日になり真央達は、町の商店街を歩いていた。


「なんか、いろんな店があるんだな」


「まあ、それなりに大きい商店街だからな、幅広いジャンルの店がいっぱいあるんだ」


「なるほど、しかしこう多いとどこに行ったらいいか迷うな」


「そうですね、あ、皆さんちょっとここに入って良いですか?」


 そう言って唯が入ろうとしているのは、本屋である。


「何か欲しい本でもあるのか?」


「はい、ちょうど最新の本が発売されてましたから」


「どんな本なの?」


「これです」


 そう言って唯は、手に取った本を見せる。


「世界の新未確認生物特集?」


「そう言えば唯ちゃん、こういう不思議みたいなものに興味あるって言ってたね」


「はい、調べれば調べるほど世の中の不思議に興味を持ちまして、気づいたら自分で調べるのが趣味になりました、特に最近は、この未確認生物が有名らしいですよ?」


 唯は、本のページをめくりそのページに載っている未確認生物を真央達に見せる。


「驚愕、謎のイカ人間?」


「はい、このイカ人間が人気なんです、ほら写真もありますよ」

 

 その写真には、人型の姿で頭の部分が尖っている形で両腕以外にも手と思われるような触手があり、色が白くまさにイカを思わせるような姿であった。


「あ、これ知ってる時々ニュースにも出てるよね」


「ああ、そう言えばあったな、世界中の海で目撃されてるとか」


「でも、海だけじゃないよね」


「そうなんです、海だけかと思ったら、湖や川や池などでも目撃されていて神出鬼没なんですよ」


「でも、この写真はっきり写ってるけどなんか作り物って感じがするよな」


「だよねー、それにこういうのってぼやけたりしてるから余計に怪しく感じるよね」


「そうですね、でも、もしかしたらと言うのもありますから、だから面白くて興味が出てくるんですよね」


「確かにいてほしいって気持ちもあるよね」


「はい、では、レジに行ってくるので少し待っていてください」


「僕も行くよ、その本僕も買いたいから」


 真央も唯と同じ本を手に取り唯と一緒に会計を済ませにレジへと行き、本を買い店を出るのだった。


「真央ちゃんも、こういうの興味あるの?」


「いや、唯ほどじゃないけど、何となく気になって」


 真央が未確認生物の本を買ったのには、理由があった。


(この本の中にいくつか魔族と思われる姿のものも載っていたからな、敵であってもそうでなくても情報は、知っておいて損は、ないからな)


 本の中に魔族と思える姿が載っていた事、真理亜の命を狙う者じゃなかったとしても情報として知っておくために買ったと言う理由があった。


「ねえ次は、どこに行く?」


「そうだな、これといって決めてなかったし真央にこの町を案内するのも目的だったしな」


「僕は、どこでもいいよ、皆と一緒にいるだけでも楽しいし」


 それは、真央が素直に思ったことだった。


「よし、なら手当たり次第に楽しそうな所を行って見るか」


「「「賛成」」」


 沙月の提案に賛成し一同は、いろんな所に行くことにした。

 そこからは、色々な所に入って楽しんだりした。

 ゲームセンターに寄ったり、おもちゃ屋に寄ったり、アクセサリーに寄ったりしていた。

 アクセサリーを見て唯は、真央に似合うものを進めていたが真央は、さすがに勘弁してほしかった模様。

 そんないろんな所に行き真央達は、近くの広い公園に来ていた。

 ちょうどクレープ屋さんが来ていたので真央達は、クレープを食べることにした。


「私は、イチゴのにしようかな?」


「私も真理亜ちゃんと同じのにする~」


「僕は、チョコバナナにしようかな」


「私もチョコバナナの気分だな」


「私は、キャラメルにします」


 それぞれのクレープを受け取り近くのベンチに座ってクレープを食べた。


「おお」


 初めて食べたクレープを真央は、美味しそうに食べている。


「真理亜のイチゴも美味しそうだな」


「だったら、はい一口あげる」


 そう言って真理亜は、自分のイチゴクレープを真央に差し出す。

 真央は、一口食べる。

 甘酸っぱいイチゴにクリームの甘みが良い感じに混ざって美味しい。


「うん、うまいじゃあ真理亜は、僕のバナナを」


 そう言って真央は、自分のチョコバナナクレープを差し出す。


「ありがとう、うん、チョコバナナも美味しい」


「そうか、なら良かった」


 真理亜が喜んでいるので真央も自然と笑っていた。

 だがその光景を見ていて、彩音が落ち込んでいた。


「しまったー! 真理亜ちゃんと同じものにしようと思ったけど別のにすれば食べさせ合いっこができたんだー! 同じイチゴじゃできないよー」


「ふっ、残念だったな彩音、ほら代わりに私のバナナをお食べ」


 沙月は、彩音に自分のチョコバナナクレープを差し出す。

 何故かその顔は、意地悪な笑みだった。


「どうだ、私のバナナは、美味しいか?」


「うん、さっちゃんのバナナとっても美味しい」


「でしたら彩音さん、私のキャラメルもどうぞ」


 そう言って唯も笑顔でキャラメルクレープを差し出す。


「唯ちゃんのキャラメルも美味しい、じゃあ二人にも私のイチゴを上げる」


「そうか、ん、美味しいな」


「ありがとうございます、ん、とても美味しいです」


 こうしてクレープを食べ終え、そろそろ夕方にになってきたので真央達は、帰ることにした。


「今日は、ありがとう、とても楽しかったよ」


「良かった、私も真央ちゃんと色々な所に行けて楽しかったよ」


「そうだな後は、帰って宿題やらないとな」


「さっちゃん、思い出させないでよー」


「ふふ、次は、休み明けに学校でですね」


「そうだな、じゃあ僕は、こっちだから」


「うん、真央ちゃんまた学校でね」


「真央姉さん、バイバイ」


「また学校でな」


「休み明けに学校で」


「ああ」


 真央は、真理亜達に手を振る。

 真理亜達も手を振り、帰っていく。

 やがて、真理亜達の姿が見えなくなっていった。

 周りには、人ひとりいない。

 

「いなくなったか」


 真央は、真理亜達がいなくなったのを確認する。

 そして。


「そろそろ、出てきたらどうだ? いるのは、わかってるんだぞ」


 誰もいないはずなのに真央は、呼びかけるのであった。



 

 





 




読んでいただきありがとうございます。

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