第60話 ゴールデンウィーク 7 特大デカ盛りカレーを食べる 2
「何だって、お嬢ちゃん」
「だから、ご飯の追加をお願いしたいんだけど」
真央の言葉に周りの皆は、わけがわからない状態になっていた。
「真央、ご飯の追加って何だ?」
「いや、食べていたらご飯が無くなってルーだけになったから追加して欲しいと思って」
沙月の問いに真央は、答える。
見ると確かにご飯が無くルーだけになっていた。
「ちょっと待て、アンタお腹いっぱいだからペース落ちたんじゃないのか?」
「いや、まだまだいけるけど、ご飯が無くてルーだけになったからルーだけ食べてるとカレー食べてる気がしなくてご飯追加したいなって思ってたんだよ」
「なるほど、だからペースが落ちていたのですね、確かにカレーは、ご飯が無いと食べた感じがしませんね、彼女の言うことも一理あります」
見ていた客の一人である女子高生がそんな事を言い出す。
「この特大デカ盛りカレーご飯よりルーの方が比率が高いからね普通に食べていけばご飯の方が無くなるのは、早いか」
見ていた客の一人である会社員の男性がそんなことを言い出す。
「しかし、まだまだ全然いけるとは、恐ろしいお嬢ちゃんだねえ」
見ていた客の一人である中年位の男性がそんなことを言い出す。
と言うか誰だこの人達。
「それで、ご飯の追加ってできないの?」
「いや別にしても良いけど」
「じゃあ、お願いします」
「あ、ああ」
そう言って店主は、ご飯を追加する。
ご飯を追加されたことにより真央の食べるペースが再び上がった。
「おお、食べるペースが戻った」
「本当にまだいけるんだな」
「おい、ちょっと待て食べるペース最初より上がってないか?」
客達の言う通り真央の食べるペースが上がっていた。
「もしかして、最初は、味わって食べていたのかもしれませんね」
「なるほど、それで半分ほどで味わい尽くしたから」
「ラストスパートに入ってペースを上げたのか、本当に恐ろしいお嬢ちゃんだな」
そんな客達の反応も聞こえていないのか、真央は、黙々と食べ続ける。
そしてご飯が無くなる度にご飯の追加を頼み、さらに今度は、ルーが少なくなったのでルーの追加を頼んだことでさらに店主や客達を驚愕させた。
そして最後の一口を食べ終え。
「ごちそうさま」
と言いスプーンを置く。
見ると丼の中のカレーは、全部無くなっていた。
そう、真央は、特大デカ盛りカレーを完食したのだった。
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