第59話 ゴールデンウィーク 6 特大デカ盛りカレーを食べる
「はい、特大デカ盛りカレーお待ち」
待っていると店主が特大デカ盛りカレーを持ってきた。
丼のような大きい皿にカレーがびっしりもってありさらにデカいカツが一切れ置いてある。
普通に子供が食べ切れる量では、ない。
「うわぁ、量がすごい」
「普通のカレー何杯分何でしょう?」
「じゃあ、ルールを説明するぞ? 制限時間は、一時間それまでに食べ切れたら賞金をプレゼントだ、ただし制限時間内に食べ切れなかったらこの特大デカ盛りカレーの倍の代金を払ってもらうことになるけど今回は、特別に食べ切れなくても元の代金のままで良いよ、まあ万が一食べ切れたら賞金をやるけどそれで良いか?」
「わかった」
店主の説明を聞き真央は、了承する。
「それじゃ行くぞ、よーいスタート!!」
「いただきます」
店主の掛け声と共に真央は、特大デカ盛りカレーを食べ始める。
「うん、うまい」
真央は、黙々と食べ進めていく。
一口また一口と食べ進めていき、十分ぐらい経過した時には、全体の四分の一が無くなっていた。
「おい、あのお嬢ちゃん凄くないか?」
「ああ、もうすぐ半分食べ終わるぞ」
「もしかしたら、もしかするぞ」
いつの間にか他の客達も真央に夢中になっていた。
ところが。
「・・・・・・」
半分を食べ終えてから真央の食べるペースが落ちていった。
食べることは、やめていないがそれでも明らかにペースは、落ちていた。
「ああ、やっぱりなあ」
「だから、やめとけって言ってたのに」
客達は、やっぱりと言った感じになっていた。
店主もやれやれと言った感じで苦笑いを浮かべている。
わかっていたとは、言え子供に酷な事をしたという罪悪感もあったからである。
「真央、やっぱり辛いだろ?」
「真央ちゃん、もういいから無理しないで」
真理亜達も心配している。
その理由は、今、特大デカ盛りカレーを食べている真央の顔が辛そうに見えたからだ。
やがて、真央は、手に持っていたスプーンを置く。
「ねえ、店主さん」
「何だ、ギブアップかい? お嬢ちゃん」
辛そうな顔をして手に持っていたスプーンを置く、おそらくギブアップしたいのだろうと店主は考えているだろう。
ところが。
「ご飯を追加して欲しいんだけどできないの?」
『え?』
真央の言葉に店主だけでなく、真理亜達や客達も疑問の声を上げていた。
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