第57話 ゴールデンウィーク 4 お昼にしよう
「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
試着から三時間程経ち、真央に似合う服を買い店を後にした。
「良い買い物ができました、真央さんに似合う服も何着か買えましたし、どうですか真央さん?」
唯は、真央に聞く。
何着か買いその中の一着をすぐに着ることになった真央は、ガラスに映った自分の姿を見る。
(似合っているのかもしれない)
自分の姿を見ながらそんな感想を抱いていた。
真央の服装は、白のブラウスを着ていて下は、紺色のスカートによりクールな印象を持つ真央に似合う服になっているのである。
しかし、問題もあった。
(足がスースーする、こんなに生足を出すなんて、なんか落ちつかない)
魔王レイアの時は、ロングスカートを履いていて、学校の制服のスカートは、膝下まであったので何とも思わなかったが今履いているスカートは、膝より少し上でしかも生足を出した状態、真央にとっては、不満でしかなかった。
「なあ、やっぱり家で着ていた服じゃダメなのか? スカートが短くて生足がスースーしてなんか不満なんだけど」
「ダメですよ、こんな似合わない服真央さんには、二度と着させませんから」
唯は、笑顔で答える。
「真央、諦めろ唯は、友達があまりにも似合わない恰好をするとこうなってしまうんだ、悪気は、ないんだそれに似合ってるぞ」
「うん、真央姉さんとっても似合ってるよ」
「かわいいよ真央ちゃん、自信持って」
「・・・ありがとう」
皆に褒められて真央は、少し照れてしまう。
「真央さん女の子は、誰だってかわいいと思われたいものです、真央さんは、かわいいんですから、そのかわいさをもっと全面的に出さないと損ですよ、だから似合わない服を着て自分のかわいさを自分でダメにするなんていけませんよ」
「うぅ」
唯の言葉に真央は、何も言い返せない。
「それに、ほら見てください歩いている人達が、チラッと真央さんを見たりしていますよ」
見ると、チラチラと歩いている人達と目が合う。
「僕じゃなくて皆を見ているんじゃないのか? 皆だってかわいくて似合ってる服を着てるし」
「もう、真央さん! 自分のかわいさにどうして自信を持てないんですか? 真央さんは、クールでかわいくて素敵なんです! 私達だけじゃ無くてクラスの皆だって思っているんですから、自分を低く評価しないでください!」
むうう、と言いながら唯は、目を閉じて頬を膨らませて両手をグーの形にして上下に小さく降って怒っているアピールをしている。
「わかったよ唯、これからは、自分をあまり低く評価しないようにするよ」
唯の言葉に頷きながら同時に唯の怒っている姿がなんかかわいいなと思う真央であった。
「ねえ、なんかお腹すいちゃったよ」
「そういや、もうお昼の時間だな」
「何か食べていく?」
「そうですね、真央さんどこか行ってみたいお店は、ありますか?」
「僕が決めていいのか?」
「まあ、今日は、真央に楽しんでもらう予定だったからな、好きな所選んでいいぞ」
「この町、いろんな食べ物屋さんがあって子供だけで食べに行っても良い場所もいっぱいあるよ」
「真央ちゃん、何か気になる場所ある?」
「そうだな」
真央は、辺りを見渡す。
確かにいろんな飲食店がある。
「あそこは、何だ? いい匂いがするけど」
真央は、ある飲食店を指さす。
「カレー屋か」
「あそこのカレー屋さんこの前家族で食べに行ったことあるけど美味しかったよ」
「あそこは、確か子供だけで入っても大丈夫でしたね」
「真央ちゃん、カレーで良い?」
「ああ、美味しいなら食べてみたいな」
こうして真央達は、カレー屋に入りお昼を食べることになった。
そして真央は、このカレー屋ですごいことをするのであった。
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