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第54話 ゴールデンウィーク

 転移の魔法を使い人間界の住んでいるマンションに帰ってきたレイアとリズ。


「確か九時くらいに来ると言っていたな」


「今は、もうすぐ八時になりますね」


「わかった、すぐに着替えよう」


 そう言ってレイア達は、着替えをし真理亜達を待つのであった。

 そして九時になり部屋のインターホンが鳴り真理亜達が来た。


「いらっしゃい、皆さん真央さんは、奥にいますよ」


「「「「お邪魔します」」」」


 真理亜達は、奥にいる真央の元へと向かう。


「いらっしゃい、皆」


 真央は、挨拶するところが。


「「「「・・・・・・」」」」


 全員は、何故か固まった表情をしていた。


「ん? どうしたんだ?」


「いや、どうしたと言うか、何というか、なあ」


 沙月は、何か困ったかのように真理亜達に目配せしながら答える。

 すると。


「真央さん、何ですかそれは?」


 唯が真央に聞く、だがいつもと何か様子がおかしい。


「何ですかとは、何が?」


「何がって、その服装ですよ、何ですかそれは?」


 唯は、服装について真央に聞く。

 真央の服装は、普通の長袖に長ズボンだが、あまりにも色が地味ではっきり言って真央には、似合っていないと言ってもいいだろう。


「服って、そんなにおかしいか?」


「おかしいに決まってますよ! 何ですかその服装は! 全然真央さんに似合っていませんよ!」


 普段の彼女とは、思えない大声を上げる唯。


「唯ちゃん」


「あー、やっぱりか」


「そりゃ、真央姉さんの服を見たらね」


 真理亜達の反応を見て、真央は、何かの地雷を踏んだのかと感じた。


「真央さん、どうしてそんな似合わない服を着ているのですか! もっと似合う服がいっぱいあると言うのに」


「いや、服なんて別に何を着ても一緒じゃないのか? 大して変わらないだろ?」


「はい?」


 真央の言葉に唯は、光のこもっていないような目になる。


「何言ってるんですか? 本当に何言ってるんですか? まさか本気で言ってるんですか? 本気で服なんてみんな一緒だと思ってるんですか? 本気でそう思ってるんですか?」


「ゆ、唯?」


「真央さん、あなたは、本当に何もわかっていないんですか? 自分が今とんでもないことをしていると、自分で自分をダメにしていると」


 唯は、静かに語る、しかし、依然とその目に光は、こもっていない。


「な、なあ、皆」


 真央は、真理亜達を見る。

 しかし、黙っていて何も言えず、申し訳なさそうに目を逸らす。


「リズ先生、どうして真央さんにこんな地味で似合わない服を着せているんですか? 先生は、似合っている服を着ていますけど」


 唯は、リズに聞く。

 そしてリズに対しても光のこもっていない目をしている。


「ええと、唯さん取り敢えず落ちついて下さい」


「私は、落ち着いていますよ? そんな事よりどうして先生は、素敵な服を着ていて真央さんは、こんな地味な服を着ているのですか?」


 唯は、さらにリズに聞く。

 しかしリズは、答えに詰まっている。


「・・・・・・まさか、虐待でもしているのですか? だから真央さんは、こんな地味な服を着ているのですか?」


「待って唯ちゃん、それは、ないと思うよ」


「うん、さすがにそれは、ないよ」


「そうだぞ、大体虐待されてるなら、どこかに痣とかあるだろ? 体育の授業で一緒に着替えてるけど、真央の体にそんなあとなかっただろ?」


「そうでした、リズ先生ごめんなさい」


 真理亜達に言われて我に返る唯。

 そして、リズに失礼なことを聞いてしまったことを謝罪する。


「いえ、私は、気にしていませんので大丈夫ですよ、確かに唯さんの言う通りそう思われても仕方ありませんね、私も真央さんには、かわいい服を買ってあげようとしたのですよ」


「では、何故ですか?」


「はい、そしたら真央さんがそんな物に高い金を払う必要なんてないだろ、生活に必要な物に金を掛ければ良いし、着れれば問題ないんだから安くて動きやすいので良いだろと、そしてこの服になってしまいまして、私は、保護者代わりでは、ありますが元は、お嬢様と使用人ですので主の命には、どうしても逆らえず」


 リズは、困ったように話す。

 それを聞いた唯は。


「わかりました、真央さん今から服を買いに行きますよ」


「え?」


「だから服を買いに行くんですよ、そんな恰好よりもっと真央さんに似合う服を買いに」


 いつの間にか唯の目に光がこもっていた。

 そして何故か燃えているようにも見えた。


「いや、待て唯、今日は、遊びに行く予定じゃなかったのか?」


「何を言ってるんですか! 予定変更ですよ! 真央さんに似合う服を買うのが最優先ですよ! 大丈夫です私がちゃんと真央さんに似合う服を選びますから! 皆さんもそれで良いですよね?」


 唯の言葉に真理亜達は、特に反論せず頷く。


「決まりですね、では、さっそく買いに行きましょう」


「では、お金は、私が出しますね、これくらいあれば大丈夫でしょうか?」


「ありがとうございます、これだけあれば、上と下セットで三着くらいは、買えますね、では、真央さん行きますよ」


 唯が目をキラキラさせながら言う。

 こうしてゴールデンウィークが始まるのだった。



 


 













読んでいただきありがとうございます。


世間は、ゴールデンウィークを終えていますが真央達は、今からゴールデンウィークです。

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