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第53話 魔王シャロが来た 13 魔王は、人間界に戻る

 夜が明けレイアは、人間界に戻る準備をしていた。


「うぅ~眠いのだぁ~」

 

 現在の時刻は、人間界だと午前七時であり、普段こんな時間に起きないシャロにとっては、眠い時間である。

 それでも早く起きたのは、友達であるレイアを見送るためである。


「別に寝てても良いんだぞ」


「そうは、いかないのだ、ちゃんと見送ると決めたから」


「そうか」


「それよりも、レイア我は、あっちが気になるのだ」


 そう言ってシャロは、ソウガとリゼを指さす。


「お前なあ」


「とにかく行くぞレイア、ちゃんとやったか聞くのだ」


「おい、待て」


 レイアとシャロは、ソウガとリゼの元へ向かう。


「そなた達、昨日は、どうだったのだ?」


「「!!」」


 ソウガとリゼは、顔を赤くしている。

 すると他の者達も気になって一斉にソウガとリゼを見る。


「で、どうなのだ? うまくいったのか?」


 シャロが急かすように聞いてくる。


「おい、シャロそう言うことは、他人に言うものじゃないだろ」


「いーや、こう言うのは、ちゃんと聞いておかないとならないのだ、そなたの配下も皆思ってるのだ、さあ、どうなのだ?」


「そ、そんなの言える訳ないじゃないですか!!」


 顔を赤らめ声を張り上げて言うリズ、その反応だけで全員が理解した。


「そうか、そうかついに一線を越えたのだな? おめでとうなのだ」


「リゼ、良くやったぞ!! で、どんな感じだったソウガは、うまかったか?」


「そ、そんなの知りませんよお!!」


 ゼナの質問にリズは、顔を真っ赤にして今にも逃げ出したい感じだった。


「ソウガ、やはり君は、やってくれると思っていたよ」


「やっとですか、随分長かったですな」


 ドラギオスとライムも満足げな表情を浮かべる。


「どうかね、初めての感想は?」


「んなもん言える訳ねえだろ!!」


「そんなに照れなくていいものを」


「照れてねえ!!」


 ソウガも顔を真っ赤にしている。

 穴があったら入りたいと言った感じだろう。


「全く、ん? リズなんだか元気無さそうだな?」


「ええ、まあ、昨日ゼナにたくさん愛されましたからね」


「体力回復してないのか?」


「いえ、しています、いますけど」


 リズは、そう言ってゼナをにらみつける。


「リズ、そんなに見つめられると照れるよ」


「何が照れるよですか」


「リズ、もしかして怒ってる?」


「もちろんですよ、かなり大変で恥ずかしくて疲れたんですからね、もうダメって言ったのに少し待ってって言ったのに全然やめてくれないし」


 リズは、ジト目でゼナを見ながら言う。


「ごめん、ちょっと張り切りすぎちゃって、ほら、ずっとご無沙汰だったし」


「ちょっと、あれで?」


「・・・・・・いえ、かなりです、でも魔力は、注がなかったからその分張り切っちゃって」


「当たり前です、今、身籠ったら、人間界で色々困りますから、その点をわかっていたのか心配しましたよ」


「すいません」


「別に嫌じゃないんですよ、ゼナに愛されるのは、でも気持ち良くされすぎても困るんです」


 リズは、顔を赤く染めて言う。


「わかった、次は、気を付けるよ」


「本当に気を付けてくださいね」


「わかりました、でも、リズのネグリジェ姿、素敵だったよ」


「ッ!! ~ッ!!」


 リズは、思い出したのか顔を真っ赤にする。


「本当に素敵だった、人間界にあんな素晴らしい物があったとは、君の下着姿を見たこともあるが裸も見たことがあるが、アレは、それとは、また違った何かだ、そしてベッドに押し倒して恥ずかしがっているリズを見て喘ぎ声を上げているリズを見て、私の理性が保つわけがないだろう」


 ゼナは、自信満々に言う。


「もう、いいです!! そう言う感想は、いいです!! あなたは、私を辱めてそんなに楽しいですか!!」


「わああ、ごめんリズ」


「もう知りません! 人間界に戻ったらあなたがいない時に帰りますしあなたからの連絡も無視します!」


「そんな!? 待ってくれ、君に会えなくなったら、無視されたら私は、生きていける気がしないんだ!!」


「だったら勝手にくたばってください」


「そんな、リズー!!」


 ゼナは、ポロポロと涙を零していく。

 リズに会えなくなるのは、ゼナにとっては、絶望以外の何者でもなかった。


「リズ、さすがにそれは、酷だろ人間界に戻ったら当分会えないんだからせめて帰った時くらい会ってやれよ」


「・・・・・・わかりました、ゼナ、レイア様に感謝してください、レイア様がこうおっしゃるので仕方なくですからね」


「! ありがとうリズー!!」


 ゼナは、リズに抱き着いた。


「こら、調子に乗らない」


 そして、いよいよ戻る時が来た。


「そうだ、シャロこれをやるよ」


 レイアは、シャロに袋を渡す。


「ん? 何なのだ?」


「人間界のお菓子でアメと言うものだ食べてみな」


「ほう、人間界のお菓子か、おお、丸くてきれいな色だな食べるのが勿体ないのだ」


 シャロは、アメを一個口の中に入れる。


「おお! 固いけどとっても甘いのだ!! それにこれは、リンゴの味なのだ!!」


「ああ、果物の味がするアメさ、色によってそれぞれ違う味がするのさ」


「ほうほう、人間界の人間は、面白いお菓子を作るのだ」


「他にもこっちにないお菓子がたくさんあるぞ」


「何!?」


「今度来る時、事前に連絡をくれれば、お土産にお菓子を持って行ってやるよ」


「本当か!?」


「事前に連絡すればな」


「わかったのだ、ちゃんと連絡するのだ、ガリウスそなたも覚えておくのだ」


「畏まりました」


「お前が覚えとけよ」


 そして、リズが転移の魔法を使い、空間が出現する。


「それじゃ、僕は、人間界に戻るよ」


「おう、また会おうなのだ、レイア」


 シャロや幹部達に見送られレイアとリズは、空間の中に入って行きそして空間は、消えるのだった。

 こうしてレイアは、再び人間界に戻ってきた。

 そして今日は、真理亜達と一緒に遊ぶのであった。


 






 







 




読んでいただきありがとうございます。

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