第450話 豪華な船旅 9 大スクリーンでのゲーム 4
「今度は僕の勝ちだな」
「くっ、さすがだな、次の対戦と行こうか」
「いや、次と言っても僕達だけじゃないし、他にもやりたい子がいるんじゃないか?」
「あー、そうか、いつもの癖で家でオンラインしている時と同じ感覚でやってたわ」
「順番待ちしてる子達もいる事だし、僕達はまた並んで待とう」
「あ、いいよ、二人共そのまま続けて」
「「え?」」
真央達が順番待ちしてる次の子達に代わろうとすると順番待ちしてる子達が真央達に続けるようにと伝える。
「何か二人の対戦見てる方が楽しいなって思えてさ」
「うん、二人共上手だし、凄い熱い戦いって感じがしてさ」
「見てるこっちも熱くなってきちゃって」
「もっと二人の対戦を見たいなって思ったんだよね」
「だから二人の対戦もっと見せてよ」
「・・・・・・どうする、R?」
「皆が見たいと言うなら、希望に応えるか?」
「まあ、皆がそうしたいなら」
こうして真央と朱莉は対戦を続行する事になるのだった。
「キャラを変えてやるか」
「さっきが舞だったから、別の魔法少女でやるか?」
真央が朱莉に問う。
「そうだな、じゃあ、順番通りに次は乃亜だな」
「わかった」
朱莉の提案で二人は魔法少女乃亜に出て来るキャラクターを選ぶ。
「僕が乃亜で」
「私がラスボスのドグラだな」
二人それぞれキャラを選択する。
『せっかくのお姉さんとのデートなのに、またあなたの相手しないといけないの?』
『いやいや、相手しないとマズいから、また世界の危機だから』
『今度こそお前達を倒して、世界を侵略する』
『FIGHT』
「時々思うんだけどさ、ドグラってダグラと一字違いだよな」
「ああ、けど性格は違って、ドグラはちゃんと組織のボスとして動いてたし指揮もちゃんと取ってたからラスボスとしての役割をちゃんとやってたキャラなんだよな」
「最初は兄弟か何かなのかなって思ってたな」
「それファンの間でも考察されてたぞ、実は二人は兄弟なんじゃないのかって、結局違くてただの偶然だって作者本人が雑誌のインタビューで言ってたしな」
「確か舞を連載してた時、あまりにも人気だったからもっと長く連載できないかって編集から言われてたらしいな」
「ああ、けどその時には舞はもうこれで終わらせるつもりだったらしいから、代わりに新たな魔法少女を出して主人公交代で魔法少女を続行する形にしたんだよ」
「それがこの乃亜だったってわけか」
そう言って真央はコマンドを入力すると乃亜が別の魔法少女と入れ替わり戦う。
「この乃亜だけは他の魔法少女キャラと違って別の魔法少女と入れ替わって戦う事ができるんだよな、そこも原作の乃亜をリスペクトしたって感じだな」
「ああ、魔法少女恵だな、と言っても彼女は警察官だから成人してるんだよな」
「けど、見た目はどう転んでも高校生って言っても違和感ないよな?」
「ああ、下手したら中学生って言われてもおかしくない見た目なんだよな、しかも乃亜の方は高校生なのに余裕のある大人のような性格をしているから二人で一緒にいると乃亜の方が姉って思えるしな」
「原作では何度か出かける場面があって、乃亜の方が姉って思われてたもんな」
「アニオリでも二人で喫茶店に行った時、乃亜の方にコーヒーが来て恵の方にはパフェが来てたもんな、本当は乃亜がパフェで恵がコーヒーだったから即座に恵が入れ替えたしな」
「乃亜がパフェを美味しそうに食べてるところは乃亜も年相応の子なんだなって思えたから良いアニオリだと思ったな」
「ああ、逆に恵は大人の警察官だったなって思い出させてくれたしな、きっと忘れてるかもしれない視聴者達への配慮だったのかもな」
「乃亜と恵って二人で一人の魔法少女って感じだもんな」
「乃亜が敵が持っている国一つを破壊するエネルギーを持つ古代アイテムを盗んで恵が戦闘で敵を倒すってそれぞれの役割を持っていたからな」
「衣装も怪盗と警察を思わせる感じだったのもわかりやすくて良かったな、しかもかわいい衣装だったし」
「ああ、二人で一人だからこそこのゲームでも乃亜を選んだ時、ある程度までゲージが溜まればコマンド入力で恵と入れ替わって操作する事ができるんだもんな、これが乃亜の必殺技なのが良いな」
「だよな」
その後も二人は魔法少女乃亜について語り合っているのにも関わらずコントローラーを操作する手を一切止めずに対戦を続けているのだった。
読んでいただきありがとうございます。
語り合っていても手は止めない二人です。
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