第444話 豪華な船旅 3 船の施設
「この船にも色々な施設があるみたいですね、まずは私達が今いるこのプールですね」
「普通に二十五メートルプールだよねー」
「しかも滑り台付きだしな」
「お店も出ていて凄いよね」
「しかも学園の所有物だから生徒である僕達は全部タダなんだよな」
「ええ、デッキチェアでジュースを飲んでフルーツを食べて満喫できますけど、他にも色々な施設があるんですよ」
唯はプリントを一枚めくって続きを話す。
「ここには映画もあるみたいですね、しかも巨大な大スクリーンでの映画館だそうです、アニメだけでなく特撮にホラーにアドベンチャーにアクションにラブコメ、とにかくあらゆるジャンルの映画が上映されているみたいですね」
「完全に映画館じゃねえか」
「さらに、スポーツジムもあるみたいですね」
「運動クラブに所属している子達には持って来いだね」
彩音の言う通り、現在スポーツジムコーナーには運動クラブに所属している子達がトレーニングをしている。
「さらにバーもあるみたいですね、もちろんカクテルはフルーツなどを使ったジュースですけどちょっとした大人の気分も味わえるみたいですね、しかもビリヤードやダーツもできるみたいです」
「まあ、豪華客船だから、あっても不思議じゃないな」
「それにですね、この船カジノがあるみたいですよ」
「え? カジノって、あのルーレットとかスロットをするあのカジノ?」
真理愛の問いに唯は頷く。
「はい、そのカジノです」
「この船、ギャンブルができるのかよ」
「ええ、と言ってもカジノで使うコインは本物ではなくゲームコーナーのメダルゲームのコインだそうです、豪華客船だから当然カジノがあっても不思議じゃないですね」
「この豪華客船って学園の所有物だよな? カジノまで作ってどうするんだよ」
そう、沙月の言う通りこの豪華客船は学園の所有物であり決して一般人が乗る船ではないのである。
だからカジノコーナーなど一見意味がないと思われる。
「プリントによりますよ、ちょっとした社会勉強みたいなものだそうです、カジノと言う場所がどういう場所なのかを体験できるみたいですね」
「社会勉強って、もっと他にあっただろ」
「実際にギャンブルをしたりできるそうですよ、さらにはカジノにいるスタッフさん達による演出もあるそうですよ」
「演出ってどんなのだよ?」
「えーっとですね、ギャンブルに負け続けてお金がなくなってしまい、さらに借金をして負けてしまった人を地下施設に連れて行くって言う演出やギャンブル依存症になってしまった人の演出や勝ち続けて特別なVIPルームに連れて行かれたけどそこで負けて命を落としてしまうっていう演出などもありますね」
「小学生に見せる演出じゃねえな!!」
あまりの演出内容に沙月はツッコまずにはいられなかった。
「とにかく実際にギャンブルを体験させるだけでなくこういったスタッフさん達の演出を見せる事でギャンブルにハマってしまう事がどれだけ危険なのかを教える社会勉強ができるみたいですよ、しかもスタッフさん達の演技がプロに引けを取らないそうですよ」
「だから、もっと他にあるだろ、ていうか、プロに引けを取らない演技ならプロを目指しても良かったんじゃないのか?」
「子供の私達にはわからない世界が大人にはあるんでしょうね、まだまだ色々な施設があるみたいですよ」
さらにプリントを一枚めくって唯は説明するのだった。
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