第443話 豪華な船旅 2 船の性能
豪華客船のプールでくつろいでいる真央達。
生徒達の中には水着に着替えてプールで遊んでいる子もいれば真央達のようにアロハシャツを着てデッキチェアでジュースやフルーツを食べてくつろいだりなど各々が思うように楽しんでいた。
「豪華な船旅を満喫しながら林間学校を行う場所へと向かう、巨大な人食いのサメかワニがこの後出て来るんでしょうかね?」
「何をバカな事を言ってるんだ、そんな映画みたいな事がこの後起きたら、生存者は一人か二人じゃないかよ」
「確かにあれ系の映画って何故か生存するのが一人か二人と少なすぎな気がしますよね」
「大きなサメに喰われるなんて嫌だよー、絶対痛いもん」
「彩音ちゃん、ワニだって痛いよ」
「あ、そっかぁ」
真理愛達はのんびりとした口調で会話をしながらデッキチェアでくつろいでいる。
「それにしても、この船って本当に豪華だな、ジュースもフルーツも旨いし」
真央がフルーツを食べながら言う。
「船内のプリントを渡されましたけど、色々な施設があるみたいですね」
唯がプリントを見て言う。
「あー、乗る前に全員に配られたな」
「この豪華客船の性能についても書かれてますね、最初はこの船が沈没する心配はないと書かれてますね、過去に沈没事故を起こした全ての大型船のデータを元に作られているみたいですね」
「沈没事故って言ったら、映画にもなったあの船が有名だな」
「確か色々な有名人が乗ってたって聞いたよ」
「そうですね、その有名な船や今まで沈没した船の事故を解析してこの船を作ったみたいですね」
唯はその船の性能について語る。
「まず、事故の原因となる大きな氷の塊の氷山や岩などの確認が遅れてしまって衝突して沈んでしまうのが多かったので、この船全体からレーダーのようなものが出ていて最大で数百キロ先の周りの障害物を事細かく感知できるみたいですね」
「数百キロってかなりの広範囲だな」
「さらに大型の生物や群れがいたらそれにも反応するようになってるそうです」
「あ、そっか、クジラとか大きい生き物にぶつかってしまう事故だってあるもんね」
「その通りです」
真理愛の言葉に唯は頷いて続きを話す。
「さらに人の手による監視もしているみたいですね、常に船全体に人がいて各箇所に二、三人配置され望遠鏡などで周りに障害物や不審なものがないかを確認しているみたいですね」
「だからか、船員がやたら多くいて望遠鏡で周りを見ているなと思ったら」
沙月が辺りを見渡すと確かに多くの船員達がそこら中にいるのであった。
「さらには医療スタッフもたくさんいるみたいですね、全員医師や看護師の経験を持っていてさらに整った医療設備の部屋もたくさんあり船の中で安全に手術する事もできるみたいです、しかも船全体を移動して確認している船員もたくさんいますから、急に体調が悪くなったりしてもすぐに見つかって対処する事ができるそうです」
「体調が悪くなっても大丈夫って事か」
「さらにテロリスト集団などが来たとしても大丈夫なようにこの船は戦艦のように要塞モードと言うものがあるみたいですね」
「この豪華客船は兵器なのか!?」
「魚雷やミサイルなどがあるらしいですね、とにかくテロリスト集団や海にいる巨大生物が来ても対処できるみたいです」
「じゃあ、何が起きても大丈夫って事だね」
唯の説明でどんな状況になっても安心だとわかり彩音は安堵する。
「船の性能だけじゃなくて、この船には色々な施設もあるみたいですね」
唯はさらにプリントを見ながら説明を続けるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
学園が用意した豪華客船はただの豪華客船ではなかった。
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