第441話 林間学校前日
いよいよ林間学校前日、真央はマンションで最後の準備をしているのだった。
「うん、必要な持ち物は全部確認した、忘れ物は一つもない、これで明日の林間学校も大丈夫だな」
「課外授業になりますからね、その間ここを留守にしなければなりませんが、レイア様が皆さんの家に泊まりに行った時も留守にしていましたし、戸締りもしっかりすれば何も問題はないでしょうし、かなり高いマンションですから防犯セキュリティも大丈夫ですし、万が一にも泥棒に入られる心配もないでしょうね」
今回の林間学校はリズも同行する教師の一人であるため、二人は住んでいるマンションを留守にする事になる。
しかし、去年の夏休みにリズが研修でいない間、レイアは真理愛達の家に泊まって四日間マンションを留守にしていた事があった。
その間も特に泥棒に入られた事もなかったので戸締りをしておけば問題ないと言う事で二人は特に心配する事はなかった。
「林間学校か、自然に触れる課外授業みたいだがどこに行くのか決まってるのか?」
「ええ、野宿ができる環境を用意したそうです」
「野宿か、そう言えば元の世界には冒険者をやってる人間達がいたな」
「ええ、特定の魔物を狩ったり素材を集めたりして依頼をこなすと報酬がもらえるみたいですね、大きな依頼をこなしたり貴重な素材を集めるとたくさんのお金が手に入るようですし、実力のある者ならそれで稼いでるそうですね」
「中には僕達魔族の討伐依頼とかもあるみたいだな」
「ええ、人間達の敵と言われていますからね、近くに住んでいる人間達や一気に手柄を立てたい者達が依頼をしたりしますね、レイア様の所にも何度かそう言うので来た人間達もいましたね」
「いたな、勇者以外にも来るんだなと思って相手してたな、普通に弱かったが」
当時の事を思い出すレイアだったが、レイアにとっては大した相手ではなかったようだ。
「野宿ができる環境って事は野生動物もいるって事だよな?」
「まあ、野宿できる環境ですからね、とりあえず野生動物はいますね」
「実際もキャンプと同じ感じにするみたいだし、野生動物が出たら大変じゃないのか? クマとか」
「そうですね、まあ問題ないと思いますよ、それに、もしもの時があったら私が何とかしますので」
「そうだな、僕もいるし何とかなるか」
危険な野生動物がいるかもしれないがレイア達なら問題なくどうとでもできると思ったのか、特に問題なくそのまま眠りについて林間学校当日を迎えるのだった。
そして林間学校当日、五年生達はバスに乗って移動するのだった。
『・・・・・・』
生徒達は口を開けて固まる。
何故ならバスが着いた場所は港であり、そこには大きな船、いわゆる豪華客船が止まっているのだった。
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林間学校当日、目の前には豪華客船が。
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