第424話 異常事態
「た、高梨さん!? いきなり何ですの!?」
突然真理亜に押し倒された茜。
茜は何が何だかわからずに真理亜をどけようとする。
「ど、どう言う事ですの? 高梨さん、こんなに力がありましたっけ?」
「えへへ、茜ちゃんかわいいよ」
「な、何をおっしゃ、えっ!?」
すると真理亜は突然茜を思い切り抱きしめる。
「な、何をなさいますの、早く離れなさい!!」
「えへへ、かわいいよ、ぎゅうー」
「や、やめ、ん、んぅ」
抱きしめられた茜は真理亜をどかそうと抵抗するがやがてそれがなくなっていきそのままぐったりするのだった。
「あ、茜様!!」
真理亜が茜から離れると八重達が茜に駆けつける。
「茜様!! 大丈夫ですか!!」
「う、うう」
茜が起き上がると八重達は安堵する。
「茜様」
「八重、あなた前から思ってましたが、あなたとても良いですわね」
「え? 茜様?」
八重が茜の様子がおかしい事に気づくと茜が八重を抱きしめる。
「あ、茜様、何を!?」
「ふふ、あなたはとても素敵ですわ」
「あ、ああ」
やがて八重がその場で力なくへたり込む。
「八重、あなたはとてもかわいくて素敵な女性ですわ」
「茜様ぁ」
起き上がる八重だがどうも様子がおかしい。
「ちょっと八重、どうしたの?」
「二人共、何か変だよ?」
二人の様子がおかしい事に気づく凛と八重。
「凛、雅美、あなた達も良いですわ」
「「え?」」
茜は凛と雅美にも近づき二人を抱きしめると二人も力を失くしてへたり込む。
「ふふ、二人も良いですわね」
「はいぃ」
「嬉しいですぅ」
「お、おい、何がどうなってるんだ?」
「うん、どう見てもおかしいよ」
沙月と彩音が言うように他の皆もおかしいと気づき茜達に近づかないようにする。
「えへへ、真央ちゃん」
「なっ」
茜達の様子を見ていた真央に真理亜が抱きつく
「えへへ、真央ちゃん捕まえた、真央ちゃんもかわいいよぉ」
「真理亜、どうしたんだ?」
真理亜に抱きしめられながらも真央は真理亜の事を見る。
(何だ? どうなってる? 誰かに操られているのか? 精神に何かしらの干渉を受けているのか?
この表情、明らかに正常じゃない)
真理亜を観察する真央は真理亜の表情が正常でない事に気づく。
「すまない、真理亜、少し寝ていてくれ」
真央は真理亜に当て身をすると真理亜はその場で意識を失い気絶させた後に机の椅子に座らせる。
「さてと、次は」
真央は茜達にも近づき表情を見る。
(茜達も真理亜と同じで正常じゃない表情をしているな)
「悪いがお前達も少し寝ていてもらうぞ」
真央は茜達にも当て身をして気絶させるのだった。
「制圧完了、これでひとまず安心だ」
「制圧って、気絶させただけだよな?」
「しかも、四人共当て身で気絶させたよ」
「前にも見ましたけど、真央さんならできてもおかしくないと思えるのが不思議ですよね」
唯の言葉に周りもうんうんと頷くのだった。
読んでいただきありがとうございます。
当然人間の子供にケガをさせないように手加減して気絶させました。
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