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第420話 まさかの再会

 休日にゲームセンターで出会ったあかりんご。

 それが今、清涼女子学園でまさかの再会を果たすのだった。


「R、お前この学園の生徒だったのか?」


「それはこっちのセリフだぞ、あかりんご」


「お前、何年生だ?」


「五年生だ」


「私も五年生だ」


「じゃあ、クラスは? 僕は六組だが」


「私は五組だ、一組違いか、何かのクラブに入ってるか? 私はどこにも入らずにそのまま帰宅してるが」


「僕も同じだな」


「なるほど、通りで今まで会わなかったわけだ、まさかRがこの学園の生徒だとは思わなかったぞ」


「僕も同じだよ、あかりんごがこの学園の生徒だったなんてな」


「ああ、だからこそ」


「ああ、そうだな」


((休日にあんな別れ方したのが、何か恥ずかしい))

 

 お互いに思い出したのか恥ずかしさで頭を押さえるのだった。


「なあ、あかりんご」


「何だ?」


「せっかく出会ったんだし、自己紹介しないか?」


「自己紹介? ああ、リアルの方の名前か、まあここで会ったのも何かの縁だと思って良いか、私の名前は水瀬朱莉(みなせあかり)だ」


 水瀬朱莉、真央がゲーム内で仲良くなったプレイヤー、あかりんごのリアルでの姿だ。


「朱莉か、僕の名前は宇界真央だ」


「真央だな、んー、真央って言うよりRの方が慣れちまってるからな、今まで通りRでいいか?」


「別に構わないぞ、僕も朱莉って言うよりあかりんごの方が慣れてるし、僕の方もあかりんごでいいか?」


「ああいいぞ、せっかく同じ学園の生徒だってわかったんだ、もっと色々話したいから今日一緒にゲームしないか? 家じゃなくてリアルで会ってさ」


「リアルでか、なら近くの公園でどうだ?」


「わかった、じゃあ学園が終わったらな」


「ああ」


 二人は今日一緒に遊ぶ約束をしてその場では解散するのだった。

 学園の授業が終わり家に帰ってからゲームを持って二人は近くの公園のベンチに座ってゲームをしていた。


「お、Rそのモンスター持ってたのか? できたら交換してくれないか? 図鑑を埋めたいんだ」


「ああいいぞ、その代わりあかりんごの持ってるそのモンスターと交換だ、僕はそのモンスター持ってないんだ」


「わかった、じゃあ交換するぞ」


「こっちはいつでもいいぞ」


 二人はお互いに持っていないモンスターを交換して図鑑のデータを埋める。


「おお、来た来た、なあ、ついでに交換でしか進化しないモンスターもいるし、それ全部やらないか?」


「僕もちょうどそう思っていたところだ」


「オッケー、じゃあ始めるぞ」


 それからお互いに交換を続ける。


「しかし、Rってあの有名な宇界真央だったんだな」


「有名? 僕が?」


「何だ知らないのか? 結構有名だぞ、運動会の騎馬戦での活躍とか結構他の女子に人気だし、その何事にも冷静でいられるクールさが良いとか言ってるし、男子だったら好きになってた女子ランキングで上位に入ってるぞ」


「時々聞くが、そんなランキングあったんだな、でも人気なら普通僕を見かけたら騒いだりしているのにそう言った視線を感じた事はないぞ」


「だろうな、だって皆本人がいないところで騒いでるし、ランキング入りした女子達に気づかれて嫌われたくないから皆気づかれないようにしてるらしいぞ」


「そうだったのか、しかしあかりんごは本当にゲームが好きなんだな」


「ん? ああ、好きだな、Rは違うのか?」


「僕は去年くらいからゲームの存在を知って始めたばかりだからな、経験は浅いがゲームは面白いから好きだな」


「去年って、今まで知らなかったのか?」


「ああ、僕が前に住んでた国ではゲームなんて物はなかったからな」


「どんな国だよ」


 真央が住んでいた国が気になる朱莉だがそれ以上は聞かないのだった。

 ゲームでも他のプレイヤーのリアル情報は本人が言わない限り、聞いたり詮索したりしないのが暗黙の了解となっているのでこれ以上は深く聞かないようにするのだった。


「まあ、ゲームは好きだな、小さい頃初めてゲームをした時にハマってしまってさ、それ以来毎日色々なゲームをしているな」


「そうか、でもゲームばかりしていると親に勉強しろとか言われたりしないのか?」


「そうならないように死ぬ気で勉強して成績をキープしている、私こう見えて結構成績は上位の方に入ってるから、成績が悪くなければ親も文句言わないし、成績が良くてゲームする時間が減らないなら勉強くらい頑張るさ、別に勉強が嫌いってわけじゃないしな」


「なるほど」


 朱莉の話を聞いてしっかりしている子だなと思う真央であった。


「私はさ、Rが同じ学園だって知った時、結構嬉しかったんだぜ」


「あかりんご」


「いつもゲームの中だけでしか会えないし、いつどのゲームをしているのかもわからないし、けど、こうしてリアルで会えるってわかったならいつでもゲームの約束ができるだろ?」


「ああ、そうだな」


 朱莉の問いに真央は頷いて答える。


「私達の通ってる学園って大学までエスカレーター式だしさ、高校三年くらいになったら進路とか色々考えなければならないからゲームとかもあまりする事がなくなるかもしれないけど、高校二年くらいまではたくさんゲームをしようぜ、R」


「ああ、予定が合えば付き合うぞ、あかりんご」


 そう言ってお互いに笑って拳を合わせる。

 こうしてゲームの中だけの友だった二人はリアルでも友になったのだった。


読んでいただきありがとうございます。


Rとあかりんご、同じ清涼女子学園の生徒でした、しかも同学年。


面白ければブクマと評価をよろしくお願いします。




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