第419話 出会った
「その反応、やっぱりRなんだな?」
「僕のその名を知っている、お前は誰だ?」
「あかりんごだよ、あかりんご」
少女は自分を指差してあかりんごだと言った瞬間、レイアが少女と対戦している途中で感じていた既視感に納得した。
「あかりんご、お前、あかりんごなのか?」
「ああ、そうだよ、ここじゃ落ち着かないからここを出るぞ」
そう言って少女はレイアの手を取ってその場から離れるのだった。
それから二人は自販機のジュースを飲んで一息つくのだった。
「お前と対戦している途中で、初対面のはずなのに何故か知っている気がしていた、お前があかりんごって名乗った時に点と点が線で繋がったように合点がいったよ」
「そうか、それにしても」
少女はレイアを見る。
「まさか、お前がRだなんて驚いたよ、僕って言ってたからてっきり高校生くらいのお兄さんかと思ってたが、まさか子供だったなんて」
「それはこっちのセリフでもあるぞ、てっきり高校生くらいのお姉さんかと思ってたが、まさか子供だったなんて」
お互いに相手の事を大人かと思っていたらしいが、まさかお互いにリアルで小学生だった事に驚いているのだった。
「けど何でかな、リアルのRを知ってしまったのに、幻滅ってよりも安心したって思いの方が強いんだよな」
「そうか、僕も同じような気持ちだよ、リアルのあかりんごを知っても、特に嫌だなって感じはないな」
「そうかよ、なあ、私、お母さんが買い物終わるまでこのゲームコーナーで暇つぶししてたんだ」
「僕も同じだな、連れの買い物が終わるまでここで暇つぶしをしようと思ったんだが、やりたいゲームがなかったから帰ろうかと思ったらお前を見つけたんだ」
「じゃあさ、迎えが来るまで私と遊ばないか?」
「ああ、良いぞ、お前となら楽しめそうだ」
それから二人は一緒にゲームコーナーで遊ぶのだった。
「R、そっちの敵は任せた」
「了解、あかりんご、空の敵を頼む」
二人はガンシューティングゲームをしていて現在最終ステージまで進んでいた。
「どうやら、ラスボス戦だなR」
「ああ、油断するな、あかりんご」
「誰に言ってるんだ、言われずとも」
二人はラスボスの相手をすると的確にラスボスの弱点に当てていく。
「おら、これで終わりだ」
あかりんごがラスボスの弱点に当ててラスボスを倒しゲームをクリアする。
「やったな、R」
「ああ、さすがだ、あかりんご」
二人は拳と拳を合わせてお互いを称えるのだった。
「あ、お母さんが来た」
「僕のところも買い物が終わったみたいだな」
「名残惜しいが、またゲームで会おうぜ、R」
「ああ、またゲームでな、あかりんご」
またゲームでの再会を約束して二人は別れるのだった。
「レイア様、何か良い事でもありましたか?」
「ああ、ちょっとな」
思いがけない人物と出会った事にレイアは少し嬉しさを感じていたのだった。
休み明け、学園内を歩いていると曲がり角で人にぶつかってしまう。
「すまない、大丈夫か?」
「ああ、こっちも余所見してて悪かった、ん?」
「ん?」
「R!?」
「あかりんご!?」
お互いに思いがけない場所ですぐに再会するのだった。
読んでいただきありがとうございます。
ショートストーリーで出てきたあかりんご、本編に登場です。
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