第415話 大怪獣襲来 後編
アヤゴンが破壊の限り暴れていると海の方が盛り上がり中から巨人が姿を現す。
「え? 巨人?」
「あ、あれは、もしかして、マーオでは?」
「マーオ?」
「この国を守り神と呼ばれている巨人です、国が危機に陥った時に眠りから目覚めて救ってくれると言う言い伝えがあります」
「その守り神の巨人が目覚めたって事は」
「アヤゴンを止めてくれるかもしれません」
二人はマーオに希望を抱くのだった。
『グオオー!! 全部壊しちゃえー!!』
『お前、こっちに来い』
『え? うわあぁー!?』
突如マーオに尻尾を掴まれたアヤゴンは海の方へと投げ飛ばされる。
『ぶえー!! 海水しょっぱーい!!』
ペッペと口の中に入った海水を吐きながらアヤゴンが起き上がると目の前にはマーオが立ち尽くしている。
『この野郎!! ぶっ飛ばしてやる!!』
アヤゴンが襲い掛かるがマーオはアヤゴンの両腕を掴んで取っ組み合いとなる。
『うう、何て強い力なんだ』
アヤゴンは押し倒そうとするが巨大な岩でも押してるのか、マーオは全くびくともしなかった。
『ぐう、だったらこれでもくらえー!!』
口から火を吐きマーオに直撃する。
『ぐわっはっはぁ!! どうだー!! って、え!?』
火が直撃しているはずなのにマーオには全く効いていないのか何ともない顔をしている。
『ぐううー!!』
『熱い』
そう言ってマーオは取っ組み合っていた腕を払ってそのままアヤゴンを掴み持ち上げる。
『うわー!! 放せー!!』
『ふん』
持ち上げられて暴れているアヤゴンをマーオは再び海に投げ飛ばす。
『しょっぱーい!! また海水飲んじゃったー!!』
『これは、アヤゴンが突如現れた巨人に押されています、もしかしたらアヤゴンを倒せるかもしれません!! 頑張れ!! 巨人!!』
『うおー!! もう許さないぞー!! おりゃー!!』
『うるさい』
『ぐえー!!』
突進して来たアヤゴンをマーオが右ストレートを放つと見事にアヤゴンの顔にヒットして倒れる。
『うごごご、む、無念』
そのままアヤゴンは海中の深くへと沈んでいくのだった。
「アヤゴンを倒したの?」
「みたいですね」
『や、やりました!! 大怪獣アヤゴンは突如現れた巨人によって倒され海中深くへと沈んでいきました、日本は、世界は救われました!!』
「やった、これで大丈夫だね」
「ええ、これでもう安心です」
真理亜とユイはお互いに喜び合う。
『あれ? 巨人が手招きをしていますが、近づいてみましょう』
巨人マーオが手招きをしているのでヘリコプターが近づいて行く。
『なあ、僕も眠りにつきたいんだけど、どうすれば良い?』
『え?』
「「え?」」
マーオの言葉に女性アナウンサーもテレビを見ていた真理亜とユイも一瞬固まる。
『え? あのー、ご自分で眠りにつけないのですか?』
『できない、前の時は神社の巫女の力で眠りについたけど、今もできるの?』
『え?』
「「え?」」
大怪獣アヤゴンの脅威は去ったが、今度は巨人マーオをどうにかする方法を考えなければならなかった。
「という夢を見たのですが、怪獣映画みたいで面白かったですね」
「唯、何か悩みがあるなら話だけでも聞くぞ?」
「あら?」
唯が自分の見た夢の話をするが、沙月からは心配されるのだった。
そう、全ては夢オチだったのだ。
読んでいただきありがとうございます。
はい、夢オチを三話分書きました。
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