第413話 大怪獣襲来 前編
ある日、真理亜は部屋で過ごしていると突然地響きが起きる。
「え? 何?」
真理亜は窓を開けて外を見るとそこには信じられない光景が入った。
「何あれ!?」
『ギャオオー!!』
窓の外を見るとそこには大きな建物をも軽く超えるほどの巨大な大怪獣の姿があった。
「何でこんな所に大きな怪獣が!?」
「あれは、怪獣アヤゴンです」
「え?」
すると真理亜の目の前に小さな妖精が現れる。
「あなたは妖精さん?」
「はい、私は妖精で名前はユイと言います」
「妖精って本当にいたんだ、アヤゴンってあの怪獣の事?」
「はい、アヤゴンは遺跡に封印されていたのですが、この間発掘隊が来てうっかりアヤゴンの封印を解いてしまったんです」
「それでアヤゴンが暴れてるって事?」
「はい、あ!!」
「え? どうしたの?」
ユイが驚いているのに気づいた真理亜は見てみるとそこにはもう一体怪獣が現れた。
『グオオー!!』
「何て事ですか、怪獣サツキングまで現れるなんて」
「サツキング? あの怪獣の名前?」
「はい、どうやらアヤゴンと同じ遺跡に封印されていたみたいですね」
「でも、何でキングなの? どう見ても女の子に見えるんだけど」
『ねえ、何でメスなのにキングなの?』
「え!? アヤゴンって喋れるの!?」
アヤゴンが喋れる事を知って真理亜は驚く。
「はい、あの二匹は人の言葉を話せるくらい知能が高いんです」
「怪獣なのに人間と同じくらいの知能を持ってたら、もう大変だよ」
真理亜が困っているとサツキングの方も話し出す。
『それは、あれだ、私の凄さがキングのように凄いって事だ、ていうかそんな事気にするな、私だって未だに疑問に思ってるんだから』
どうやらサツキング本人、いや本怪獣にもわからないようだ。
『とにかくせっかく寝ていたのに起こされて寝覚めが悪いから、大暴れしてやる!!』
『それならこっちだって同じだ、お前は引っ込んでろ!!』
『じゃあ大暴れする前の準備運動だ、勝負だ、サツキング!!』
『良いだろう、来い、アヤゴン!!』
アヤゴンとサツキングがお互いに戦闘態勢に入る。
「え? 二匹が戦うの? これってマズいんじゃ」
「そうですね、ですが私達ではあの二匹を止めるのは無理です」
『うおおー!!』
『ぬおおー!!』
アヤゴンとサツキングがお互いにぶつかり合う。
『私にはこの尻尾と爪があるんだ、サツキングなんて相手じゃないぞ』
『何を言うか、こっちは翼が生えてるから空を飛べるし首だって長いんだぞ』
『その見た目、怪獣ってよりバケモノだよね』
『お前だってバケモノだろ!!』
二匹は言い合いをしながらも激しいぶつかり合いをする。
「ど、どうしよう、二匹がぶつかる度に起こる衝撃が凄いよ」
「見ているこっちも危険ですね」
『これでもくらえー!!』
アヤゴンは口から火を吐く。
『こっちもくらえー!!』
対するサツキングは口から電撃を放つ。
『うおおー!!』
『な、何ぃー!! ぐああー!!』
火と電撃がぶつかり合うがアヤゴンの方が勝りサツキングは火に焼かれてそのまま倒れてしまうのだった。
『うわはっはぁー!! 私の勝ちだー!!』
『ぐう、む、無念』
「アヤゴンが勝っちゃった」
「サツキングはやられてしまったようですね、生体反応も感じませんし」
『イエーイ、私が最強だー!! そもそもメスなのにキングなのが変なのって思ったんだよね、名前からしてもおかしくない私の方が強かったって事だね、ぐわっはっはぁー!!』
『何だと!?』
「あれ? サツキングの生体反応が少しだけ復活しました」
「あんな事言われたら怒るよね、あ、アヤゴンが」
サツキングを倒したアヤゴンはそのまま街の方へと前進するのだった。
読んでいただきありがとうございます。
アヤゴンとサツキングの見た目は怪獣の着ぐるみを着ている姿を想像してください。
アヤゴンは口の中に顔があるみたいな感じでサツキングは首が長いので首の部分に顔がある感じの奴で。
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