第400話 獣人生活 4 獣人って何だっけ?
400話いきました。
授業の時間になり担任の一条先生が教室に入って来るがその顔を見て生徒達は目を見開いて驚いた顔をしている。
「えー、南条さんの発明品が誤作動した事により今小学部の生徒や教師達がラノベとかである獣人になってしまいしたが前回の数字の可視化同様特に身体に違和感はないようですし時間が経てば元に戻るとの事ですので、先生方と話し合った結果このまま授業を行うと判断しました、なので皆さん、あまり南条さんを責めないようにしてください」
「一条先生、その辺はもう大丈夫ですけど、あの先生はゾウの獣人になったんですか?」
皆が思っていた事を沙月が代表して一条先生に問う。
一条先生の顔はゾウを思わせるような長い鼻があったからだ。
「いえ、私はゾウではなく、マンモスです」
『マンモス!?』
「はい、私も最初はゾウかと思いましたがゾウよりも耳が小さいし牙が長いのでマンモスだと判明しました」
「真央のニホンオオカミのような絶滅種があるから他にもそういうのがいるかもしれないと思ったが」
「まさか、古代生物が出て来ましたか」
「朝の朝礼で確認しましたが先生方は全員古代生物の獣人でした」
一条先生の言葉に開いた口が塞がらない生徒達。
そして全員が一斉に思った。
⦅獣人の定義って一体?⦆
そう思って全員が梓美を見る。
「皆が何を思っているか大体察しがつくが、私だって困惑しているんだ、正直今獣人って何だっけ? って思ってるんだ」
梓美の言葉に全員が納得して一条先生に向く。
「そう言う事ですので、皆さん今日は私には近づかないようにしてください、この牙が当たったら大変ですので、それでは授業を始めます」
言って一条先生は長い鼻を動かしてチョークを持ち黒板に書き始める。
『え!?』
一条先生の行動に全員が驚く。
「何て言いますか、マンモスになった影響なのか鼻で使った方がやりやすいんですよ、何の違和感もなく動かせるので実質腕が三本あるような状態ですね、個人的には結構気に入っているんです」
『え?』
「このマンモスの獣人になった時、あのマンモスの超人と同じになった感じがして思わず喜んでしまいました」
いきなり一条先生が話し出した事に生徒達はただ呆然と聞いている。
「実は私結構プロレスに興味がありまして、あの有名な超人プロレス漫画も全部買っているんです、その中でも好きなキャラがいて、それがマンモスの超人レスラーなんです、マンモスだから当然パワー系ですがただ力任せにやるだけじゃなくて頭も良いんです、圧倒的なパワーと冷静な判断力、力と知性を兼ね備えた強力な超人レスラーなんですよ」
一条先生は拳を強く握りしめて熱く語っている。
本気でプロレスが好きだと言う事が伝わって来るのだった。
「っと話が脱線しまいましたね、では授業を再開しましょう」
そう言って一条先生は再び鼻でチョークを持って黒板に書き始める。
⦅一条先生プロレス好きなんだ⦆
この日初めて一条先生の意外な趣味を知った生徒達であった。
ついでに他の先生達も何の獣人なのかを教えよう。
「はーい、じゃあ授業始めるぞー、はあ、長い尻尾と背中のこれ違和感ないのは良いけど色々な所に当たって邪魔なんだよなー」
シエラ達のクラスの担任柳瀬先生はスピノサウルスの獣人である。
長い尻尾と背中にある帆みたいのが違和感はないが狭い場所だと振り返ったりした時に色々な所に当たったりして授業がやりにくそうである。
「先生大変ですね」
「そもそも恐竜って獣人なの?」
「机を少し下げましょう、そうすれば先生も少しは広くなってやりやすくなると思いますし」
「悪いがそうしてくれると助かる」
シエラの提案でその日は全員机を少し下げて柳瀬先生が授業をやりやすくさせるのだった。
ちなみにシエラはヴァンパイア族だからそれを思わせるコウモリの羽が生えたコウモリの獣人で奈津美はクロヒョウ、樹里はイノシシの獣人であった。
「はい、それでは次の文章を、ってああ!! ごめんなさい、また尻尾が教卓に」
国語担当の桜井先生はアンキロサウルスの獣人であるため振り返る度に尻尾が教卓や黒板に当たっているのだった。
「桜井先生、大丈夫です」
「アンキロサウルスって尻尾がハンマーみたいですからね」
「当たったら大きい音がするのは当然と言えば当然ですよ」
「うう、ごめんなさい」
その日桜井先生の授業はぶつかる音が頻繁に響くのだった。
「ここで加わるとこのような結果になるので分量には気をつけましょう」
理科担当の和久井先生は授業で教科書を片手に黒板に書いているが本人はいつもと違ってどこか覇気がない様子だった。
「和久井先生、今日覇気がないね」
「実験できないからだよ、今日本当なら授業で実験する日だったから」
「あー」
生徒達はひそひそと話していて和久井先生の覇気がない理由に納得するのだった。
本来なら今日は授業で実験をする日で彼女は実験が好きなので生徒達の色々な実験結果が見れると楽しみにしていたのだが現在彼女はステゴサウルスの獣人であり実験の時は和久井先生自身も動いたりするので動いたりして尻尾や背中のトゲのプレートのようなものが当たって実験器具が落ちたりしたら大変なので今日は実験はしないようにと教頭先生から釘を刺されていたので彼女は今日は実験をせずに授業をしているのであった。
そのため今日の和久井先生は授業はちゃんと行ったがいつもと違って覇気がないのだった。
「はあ」
保健室では佐藤先生がため息を吐いていた。
「私のこの姿を見て、天使達を怖がらせたらどうしよう、はあ」
佐藤先生はトリケラトプスの獣人になっていて鏡で自分の顔を見ながらまたため息を吐く。
「トリケラトプスのこのツノ思ったよりも長いし、万が一これで天使達が傷ついたら、考えただけで恐ろしいわ、できれば今日は誰も来てほしくない、でも天使達の顔が見たい、はあ」
今日何度目かわからないため息を吐く佐藤先生だった。
他の教師達も色々な恐竜系の獣人だったためその日あちこちの教室から大きな音が響くのだった。
「しかし、この頭本当に硬いですね」
高本教頭は自身の頭を叩きながら言う。
「丈夫な頭で落下物が落ちてもケガをしなくて良いですね」
「理事長も立場に相応しい姿ですよ」
「そうですかね?」
ちなみに高本教頭はパキケファロサウルス、理事長はティラノサウルスの獣人になっていたのだった。
本当に思う。
獣人って何だっけ?
読んでいただきありがとうございます。
いやー、獣人って何だっけ?
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