第399話 獣人生活 3 獣人の身体 2
「あ、言われてみればそうだね」
尻尾を動かしている真理亜を見てニヤけていた彩音が我に返る。
「設定とかだと獣人は普通の服だと帰って動きにくいからある程度肌を出す露出のある服を着てるってのがあったな」
「肌をさらけ出すと動きやすかったり落ち着いたりするらしいって設定もありますね、でも実際に獣人になってみましたけど、別に何もないですね」
「ああ、特に不快感も何もないな」
「獣人キャラってさ時々水着みたいな感じの服とか着てたりするよね?」
「ビキニみたいな感じの服ですね」
「確かにそんな服着た獣人もいるけど、二次元とは言えそこまで露出させるか? って思った事あるな、しかもその格好のまま街中を歩いたりとかすると本当に大丈夫なのかって思う事もあるし」
「その格好で夜中とか吠えて駆け回っているキャラもいるよね」
「現実にいたら変態扱いされて警察に捕まりますね」
「何でそこまで露出した服着てるのかな? もしかして獣人って暑がりなの?」
彩音が思った疑問を口にする。
「確かに暑がりなら露出の多い服を着ているのもわかるが」
「今獣人になっている私達は特に暑くも何ともありませんね、獣人だから人よりも体温が高いのかとも思いましたが人間だった時の身体と何も変わりませんね」
「まあ普通に露出のない服を着ている獣人キャラもいるし、私達の場合はこっちの方で良かったな」
「そうですね、そうじゃなかったら最悪この制服を脱いで下着姿にならなければなりませんでしたね、お腹もお尻も背中も脇も挙句の果てには靴下を脱いで生足をさらけ出して授業を受けなければならなかったかもしれませんね」
「とんでもなくオープンだね、そんな姿で過ごす事になったら、凄く恥ずかしくて嫌だね」
「そうなったら私は一週間くらい寝込んで学園に行かなくなるな」
想像したのか彩音と沙月は嫌そうな顔になるのだった。
「まあ、下着姿ってのはさすがにいきすぎだと思うが、そんな服を着ているキャラもいるしな」
「露出の多い服を着ているのは、やはり動きやすかったり落ち着いたりするからでしょうか?」
「そう言えば今では犬や猫用の服とかあるけど嫌がったりするのも多いらしいよ、やっぱり動物だからそのままの姿が良いのかな・・・・・・あれ?」
話している途中で彩音が何かに気づく。
「そう言えばラノベとかだと獣人って人間達から獣臭いとか獣風情とか色々酷い事言われたりする事多いけど、アレって意外と的を得ているのかな? だって所々動物のような反応をする場面だってあるし」
「まさか、そんな事ないだろ、犬や猫が服を着るのが嫌だから動物の特徴を持っている獣人も普通の服を着るよりも露出の多い服を着てるとか、そんなバカな事が・・・・・・あれ?」
彩音を言葉を否定する沙月だが彼女また言っている途中で腕を組んで首を傾げる。
「何だ? そんなわけないって思うのに何故かしっくり来てしまうこの感じは」
「そう言えばさっきビキニみたいな感じの服を着ている獣人もいるって言いましたけど、よく考えたらアレってほぼ裸のようなものですよね、動物も裸のようなものですし・・・・・・あれ?」
言っている途中で唯も首を傾げる。
「もしかして獣人って、服を着ない方が強い種族なのですか?」
(そんなわけあるか)
唯の言葉に今まで黙って聞いていた真央は内心でツッコみをするのだった。
(ラノベとかの獣人はどうか知らないが、少なくとも獣魔族達は露出の多い服なんて着ていないし、それにライオルの所に行って話をした時本人達がそう言ってたしな、特に女性の獣魔族達なんて露出の多い服を着るのってどう思うかと聞いてみたら恥ずかしがる者や激しい嫌悪感を示す者もいたしな)
「真央ちゃんどうしたの? ずっと私の耳を塞いでるけど」
内心で色々考えながらも真央はずっと真理亜の耳を塞いでいるのだった。
「ああ、すまない、もう良いぞ」
「どうしたの? 皆何か話してたけど、何を話してたの?」
「大した事じゃないさ、ただ真理亜はまだ知らなくていい内容だったからな」
「そうなんだ、どんな内容なんだろう?」
首を傾げている真理亜を見て真央は苦笑いをするのだった。
そして授業の時間を迎えるのだった。
「皆さん、授業を始めますよ」
担任の一条先生が入って来るが顔を見た瞬間全員が目を見開いて驚くのだった。
読んでいただきありがとうございます。
生徒達が一条先生に驚いた理由とは何でしょうか?
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