第398話 獣人生活 2 獣人の身体
「異世界系の作品を読んで思ったんだけど、獣人って耳と尻尾があるけど、大体それ以外は人間と同じ姿だよね?」
「ああ、確かにそうだな、耳と尻尾以外は人間の姿と同じだな」
「動物そのままの姿をした獣人が出る作品もありますね」
「それで思ったんだけど、獣人って人間の顔をしてるけど私達人間は顔の横に耳があるけど獣人は頭の上にあるでしょ? それってどんな感じなの?」
『あー』
彩音の言葉に全員が興味深く考える。
「言われてみればそうかも、アニメとかで獣人を見ると人間と同じ顔をしているけど、頭の上に耳があるからか人間の耳がある部分ってどんな髪型してても隠して描かれてるね」
「うん、真理亜ちゃんの言う通り人間の姿をしている獣人って頭の上に耳があるけど、それってどんな感覚なのかなって思って」
「確かに耳の位置と尻尾の部分を抜かせば身体の作りは多分人間と同じだよな?」
「多分同じだと思いますよ」
「それでどんな感じなの? 頭の上に耳があるのって、私ゴリラだから耳も人間と同じ顔の横だし尻尾もないからわからないんだ」
『あー』
何故彩音がそんな疑問を言ったのか皆が納得するのだった。
(獣人の耳か、考えた事なかったな、言われてみればライオル達獣魔族も人間の姿でいるし本来の姿と何か違うのか気になるな)
彩音の問いに真央も獣魔族の身体の感覚が気になるのだった。
「えっとね、耳の感じなんだけど、頭の上にあるから上から音が聞こえて来て少し変な感じがするけど感覚は普通に顔の横にあった時と同じだよ」
「私も真理亜と同じだな、頭の上にあるけど元からここにあったんじゃないのかってくらい違和感がないな」
「私もお二人と同じですね」
「真央姉さんも同じ?」
「そうだな、真理亜の言った通り上から音が聞こえるから変な感じがするがそれだけだな、普通に顔の横にあった時と同じだな」
「へえ、違和感がないんだ、じゃあ、さっちゃんのそのツノもそうなの?」
「ん? ああ、このツノか」
言って沙月は自分のツノに触れる。
沙月はヒツジの獣人になったので他の皆とは違ってツノが生えていたのだった。
「何て言うのかな、頭に固い物がくっついているって感じなんだよな」
「重たくないの?」
「全く重たくないぞ、試しに触ってみな」
言われて真理亜は沙月の頭に生えているツノに触れる。
「うわぁ、凄く固い」
「引っ張っても良いぞ」
「痛くないの?」
「問題ないぞ」
「うん、じゃあ行くよ」
真理亜は沙月のツノを引っ張ったり揺らしたりする。
「凄い、びくともしない、本当に痛くないの?」
「ああ、頭に何かの衝撃が伝わって来てるが痛みとかは全くないな」
「これだけ大きいのに重たくもないの?」
「ああ、全く重たくないな、何て言うかカチューシャとかそういう飾り物をつけている感じに近いかもな」
「身体の一部だから重たくないのでしょうか?」
「そうかもしれないな」
(ソウガ達鬼族やツノを持っている種族は皆そんな感じなのか、頼んだら触らせてくれるだろうか?)
沙月の話を聞いて真央は獣魔族だけでなくツノを持つ種族達のツノが気になるのだった。
「じゃあさ、尻尾ってどんな感じなの? それも耳やツノと同じで違和感ないの?」
彩音が新たな疑問を言う。
「うん、違和感ないよ、生まれた時からあるみたいな感じだよ」
「私も同じですね」
「私も同じだな」
「僕も同じだ、特に違和感もなくあるな」
「動かせるの?」
「うん、こうやってお尻に力を入れる感じでやると動くよ」
言って真理亜がやってみると真理亜のタヌキの尻尾が動く。
「うわ、凄い動いた!!」
「それから手の指を動かすみたいな感じでお尻に色々な方向に力を入れてみると色々な方向に尻尾が動くよ」
そう言うと真理亜の尻尾が色々な方向に生きているかのように動き出す。
(ヤバい、尻尾を動かしている真理亜ちゃん、かわいい)
「忘れてたが、こいつ真理亜の事結婚するほど好きだったな」
「最近大人しく普通だったからすっかり忘れてましたが、そう言えばそうでしたね」
「もうこのまま自然消滅すれば良いと思うが、忘れた頃にやって来るもんだな」
彩音の顔を見て三人は忘れていた事を思い出すのだった。
確かに自然消滅すれば良いと思うがまだその時期ではないんだ。
まあ、ほぼ消滅しかけてるものだが。
「そう言えば、獣人ってイラストとかだと露出の多い衣装を着ていますよね?」
唯が話を戻すかのように言うのだった。
読んでいただきありがとうございます。
彩音のこの設定最初は何となく良いと思って書きましたが、もう自然消滅させても良いんじゃないかと思い始めてます。
それか真央と言う尊敬する人物と出会った事で彩音の精神と心に変化が起き始めたとかですかね。
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