第397話 獣人生活
梓美の発明により獣人の姿になってしまった真央達は今日一日獣人の姿で生活する事になるのだった。
「とんでもない事になったな」
「まあまあ、考えても状況は変わらないので今は獣人生活を楽しみましょう」
「唯はキツネの獣人なんだな」
「そうですよ、コンコンです」
言って唯は両手をキツネの形にする。
「さっちゃんはヒツジさんだね」
「お前は、ゴリラか?」
「そうだよ、ウホウホ」
「真理亜はタヌキなんだな」
「うん、真央ちゃんは何? オオカミさん?」
「ああ、ニホンオオカミらしい」
「まさかの絶滅種かよ、でも獣人って言うけど哺乳類だけじゃないんだな」
沙月の言うように獣人化したが全員が哺乳類の動物だけではなかった。
例えば。
「おーっほっほっほ、わたくしどうやらワニの獣人らしいですわね、エリーちゃんと同じで嬉しいですわ」
「しかし茜様、変わっているのは尻尾だけのようですが」
「ええ、さすがにワニの耳は小さいですから、その代わり歯が鋭くなっていますわ、ほら」
茜が口を開けて見せるとそこには人間の歯よりも鋭い歯になっていた。
「おお、鋭い歯ですね」
「今ならメロンもスイカもパイナップルでさえも皮ごと食べられますわ」
「私達三人はハイエナですね、鳥類の獣人もいますからどちらかと言うとカラスが良かった気がします」
「確かに、茜様に仕える三羽烏だからカラスの方が良かったわね、ハイエナは良いイメージがないし」
「獲物を横取りしたりする卑怯者とも言われてるしね、カラスだと面白かったけど、現実はこんな感じなんだね」
「あら、ご存じありませんの? ハイエナは実際には半分以上が自分達で狩りをしていますのよ」
「そうなのですか? しかし何故茜様がそれを知っているのですか?」
八重が茜に問うと凛と雅美も興味津々に茜を見る。
「前に結城さんと偶然話す機会がありまして、その時に動物のちょっとした知識を教えてもらいましたわ、ハイエナは狩りがとてもお上手でその成功率は六、七割だそうですわ」
「全然知りませんでした」
「それにハイエナだって悪くありませんわ、ハイエナは他人のものを横取りする卑怯者と申しますが、人間と違い自然の世界は生きるか死ぬかですわ、それもまた一つの生き残るための手段、それを何も知らずに卑怯と言うのはいかがなものかしら、それにハイエナは群れで行動する動物、あなた達のように互いに支え合い協力し合える素晴らしいものではありませんか、そんな優秀なあなた達がわたくしについて来てくれてわたくしも誇らしいですわ、おーっほっほっほ!!」
『茜様ぁ~』
茜の言葉に八重達三人は感動して涙を流す。
「ちなみにハイエナはオスよりメスの方が立場が上らしいですわよ」
『そうだったんですね』
茜の言葉に八重達三人は感心して驚くのだった。
「花音は鳥なんだね」
「うん、背中に羽が生えてるから鳥さんだよ」
言って花音は背中の羽を実里に見せる。
「でも、この羽飛べないんだ」
「鳥なのに飛べないの?」
「うん、空を飛べる生き物の獣人になっても身体は人間と同じみたいだね」
「そっかあ、飛べたら凄かったのに残念だね」
「うん、実里ちゃんはカメレオン?」
「そうだよ、こんな事もできるよ」
すると実里の身体が消える。
「こんな風に背景に合わせて消える事ができるよ」
「うわー、凄いねー」
実里の透明になった姿に花音は拍手をするのだった。
「ミーシャはホワイトタイガーの獣人?」
「うん、そう、だよ」
「ホワイトタイガーってカッコいいね」
「ミーシャの髪は綺麗な白だからホワイトタイガーの獣人は必然と言えるわね」
「あり、がとう、皆、は?」
「んー、私ハトだと思うんだ」
「私はフクロウだね」
「私はスズメだな」
晴香はハト、英美里はフクロウ、聖奈はスズメの鳥類のようだった。
このように鳥などの鳥類もいればワニなどの爬虫類の獣人などもいるのだった。
「哺乳類だけじゃないんだな」
「異世界作品とかでも鳥などの獣人が出て来る作品もありますからね」
「ところで気になったんだけど」
彩音が自分の胸を叩きながら言う。
「お前、何ドラミングしてんだ?」
「ゴリラになったからしてみたくなったんだよ、ちゃんとグーじゃなくてパーでやってるよ」
「正しいドラミングだな、で、どうしたんだ?」
「うん、獣人になった皆に聞きたいんだけど、獣人になった時の耳と尻尾の感覚ってどんな感じなの?」
彩音はそう皆に問うのだった。
読んでいただきありがとうございます。
皆、色々な獣人になりました。
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