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第36話 新任教師リズ先生 2

「リズ先生、凄い美人な先生だったね」


「英語の発音も凄く綺麗だった」


 リズの授業が終わり休み時間になる。

 クラスの話題はリズの事で持ち切りだった。


「リズ先生、教え方上手だよね」


「うん、とってもわかりやすかったもん」


「やはり、海外の人だから英語の発音も完璧だよな」


「日本語もお上手でしたしね、それにとても素敵な声でした」


 真理亜達も話の話題はリズについてだった。


(そりゃそうだろうな、認識の魔法を使ってたんだから)


 リズは授業中に魔法を使っていた。

 その魔法は認識の魔法、簡単に言うと自分の考えを相手がそうだと認識させる魔法である。

 例えばただの石ころをダイヤだと自分が考えて認識の魔法を使うとかけられた相手はただの石ころをダイヤだと認識してしまうのである。

 それを使い授業では英語の発音が綺麗にできている事を認識させていたのだ。

 リズは外国人として人間界に住んでいるが実際に外国に住んでいたわけではないので発音がおかしければマズいと思い本場の人と違和感が無いように認識させていたのだ。

 

(でも、わざわざ使わなくても英語の発音はおかしくなかったんだけどな)


 実際にその通りである。

 リズの英語の発音は認識の魔法を使わなくても違和感がそんなにないほどできていたのである。

 でもリズは念のためにと認識の魔法を使っていたのである。


「そう言えば、リズ先生って真央ちゃんの家庭教師していたって言ってたよね?」


「そうだけど」


「と言う事は英語以外もできるのか?」


「まあ、そうだな、やろうと思えば一通りはできると思う」


「まあ、完全無敵の教師ですね」


「しかもあんな綺麗な声で教えてもらってるんだから、真央姉さん羨ましいよ」


 皆が羨ましそうに真央を見ている。

 真央はこの後もリズについて色々質問されるのであった。


 学校のチャイムが鳴り下校時刻になる。


「皆ごめん、今日はリズと一緒に帰ろうと思うんだ」


「うんわかった、じゃあね真央ちゃん、また明日」


「真央姉さん、また明日」


「また明日な、真央」


「それでは真央さん、また明日」


「うん、また明日」


 真理亜達は先に帰り真央はリズの元に向かっていた。

 そしてリズを見つける。


「リズ、一体どう言う事なんだ?」


 真央はリズに近づき問い掛ける。


「まあ、真央さん、学園内ではリズ先生と呼ぶように言ったじゃないですか」


「・・・・・・」


 真央はリズをにらむように見つめる。


「あの、レイア様、ちゃんと説明しますからそんな殺気を込めないでください結構キツイです」


「じゃあ、説明しろ」


 冷や汗をかいているリズにレイアは早急な説明を求める。


「レイア様が子供になったあの日、私もなろうとしたらレイア様と何故かイゴール様も一緒に止めたじゃないですか」


「ああ、そうだな」


「それで、私は別の方法を考えると言いましたよね?」


「確かに言ったな」


「それで、どうしたらいいかイゴール様にアドバイスを聞きに行ってみたんですよ」


 リズはその時の事を話し出す。



~リズ回想~


「別の方法ですか?」


「はい、レイア様だけに無理をさせるわけにはいきませんので真理亜様を守るためにはどうすればいいのか、人間界に長くいるイゴール様から何か良いアドバイスがもらえればと思いまして」


 リズはイゴールに何かないかと聞きに来ていた。


「そうですね、そう言えばリズさんはレイア様の元で何をしていたのですか? 言える範囲で良いので全て話してください、何かのヒントになるかもしれません」


 イゴールはリズにレイアの元で何をしていたのかを聞く。


「そうですね、秘書のような事をしていましたね、レイア様とは常に行動を共にしていたという感じでしょうか」


「ほう、レイア様から高い信頼を得ていたと言う事ですね」


「そうだと嬉しいのですが、レイア様は何かをしたりどこかに行く時には私をお供に連れて行きましたから」


「それは信頼されていると考えて良いと思いますがね」


「後はレイア様に勉強を教えたりしていました」


「ほう、勉強ですか?」


「はい、まだ幼い時のレイア様とレイラ様に学問や魔法についてなどの勉強を教えたりしていました、私がしていた事はこのくらいでしょうか」


 リズはイゴールにしてきた事を話し終える。


「なら、教師として学園に通うのはいかがですか?」


「教師としてですか?」


「ええ、勉強を教えられるのなら教師が適任ですよ、リズさんはこの世界の知識を早く覚えたので教師として学園に通い真理亜様に近づけば良いと思いますよ」


「なるほど」


 イゴールの説明にリズは納得の意を示す。


「では、教師として通う事にしましょう、それなら止めたりしませんよね?」


「気にしていたのですね、わかりました、ではさっそく学園の理事長に問い合わせましょう」


「はい、お願いします」


 こうしてリズは清涼女子学園の教師として通う事になったのだった。



~リズ回想 終~


「と、言うわけです」


 リズは真央に教師になるまでの経緯を話し終える。


「じゃあ、何で僕に黙っていたんだ?」


「それは」


 リズは間を置き。


「レイア様を驚かせたくてサプライズをしてみました」


 人差し指を立てウインクをしながら言うリズ。

 それを見て真央は。


「・・・・・・」


 ただ無表情だった。





読んでいただきありがとうございます。

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