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第392話 またやって来た、ゴールデンウィーク 35 容赦しない魔王

「聞こえていないのならもう一度言うぞ、よく聞け、僕の質問に答えろ」


 魔力を解放したレイアがヴァレンティアに問う。


「バカな、ありえない、何だ、その魔力量は」


 ヴァレンティアはレイアから発せられている魔力量に全身冷や汗をかく。


「何だ? 子供を少し脅す程度のものなのに、何を恐れている?」


「子供を脅す程度、これで子供を脅す程度だと!? お前は本当にあのレイアなのか!? 魔王の出来損ないの娘と言われたレイアなのか!?」


 レイアの魔力にヴァレンティアの呼吸が荒くなりながらも叫ぶ。


「こんなの、バケモノじゃないか」


「これじゃ、まともに話せないか」


 レイアは放出した魔力を消すとヴァレンティアは大きく息を吸って呼吸を整える。


「落ち着いたか? なら僕の質問に答えろ、ヴァンパイア族とは思えないその力、どうやって手に入れた?」


「誰が、ごばっ!?」


 質問に答える気がない事を言おうとした瞬間ヴァレンティアは血を吐く。

 見るとヴァレンティアの腹部にレイアが拳を入れていたのだった。


「質問に答えろと言ったぞ?」


「お、お前、がはっ!!」


 ヴァレンティアが何か言おうとするが再びレイアに腹部に拳を入れられて血を吐く。


「質問に答えろ、それとも言われた事がわからないのか?」


「ふ、ふざけ、ぐふっ!!」


「出来損ないの僕の質問に答えたくないか、そう言えばお前さっきから出来損ない、出来損ないと言ってるが、出来損ないと言う言葉を言わなければ生きていけないのか?」


「な、何を、ぐはっ!!」


「僕は質問に答えろと言った、子供でもわかる事に答えないとは、お前の方こそ出来損ないだな」


「き、きさ」


「黙れ、出来損ない」


 レイアはヴァレンティアの腹部に拳を入れて喋らせないようにする。


「答えろ、出来損ない」


「あ」


「早く言え、出来損ない」


「うぐ」


「聞こえないぞ、出来損ない」


「あぐ・・・・・・」


 レイアに何度も拳を入れられ血を吐いたヴァレンティアはその場で気絶する。


「気絶したか、シエラ、目覚めさせろ」


「はい」

 

 レイアに言われてシエラはヴァレンティアに強制的に目覚めさせる魔法を発動させるとヴァレンティアは再び目覚める。


「あ、あ」


「起きたか、安心しろ、もう気絶できない範囲でやるから、さっきのでどれくらいで気絶しないかもわかったしな」


「あぅ」


「さあ、答えろ、出来損ない」


「や、やめ」


「僕が求めている答えはそれじゃないぞ、出来損ない」


「がはぁっ!!」


「答えろ、出来損ない」


「ゆ、ゆる」


「違うと言ってるぞ、出来損ない」


「がふぅっ!!」


「血を吐く暇があるなら答えろ、出来損ない」


「あ、ああ」


「ここまでされて答えないとは、余程忠誠を誓った相手でもいるのか? 僕の祖父以上の者がいるのか? 出来損ない」


「ち、ちがうっ」


「違うなら、さっさと答えろ、出来損ない」


「がはっ!!」


 レイアはその後もヴァレンティアの腹部に拳を入れ続ける。

 気絶しない程度に加減されてるからヴァレンティアは気絶する事すらできない。

 地面にはヴァレンティアが吐いた血が大量に広がっていてすでに地面に染みついていた古い血を新しく塗り替えるほどだった。


「あ、あ」


「まだ答えないか、出来損ない」


「レイア様、少しよろしいですか?」


 再びヴァレンティアの腹部に拳を入れようとしたレイアに待ったを掛けるのは部外者として今まで口を挟まなかったイゴールだった。


「何だ?」


「レイア様、彼女の話を最後まで聞かずに拳を入れ続けているから、話したくても話せないのではないでしょうか?」


「・・・・・・」


 レイアはヴァレンティアを見ると、何かを話すかのように口をパクパクさせている。


「なるほど、確かにそうだな、思い返せばこいつの言葉を二文字くらいしか聞かずに拳を入れ続けてたな、それじゃ話せるものも話せないか」


「その通りです、一度彼女の話を最後まで聞いてみましょう、それでも話さないのなら、その時にまたやれば良いのです」


「それもそうだな」


 レイアはヴァレンティアに近づきヴァレンティアの頭を鷲掴みする。


「は、あ・・・」


「悪かったな、お前の話を聞かないで殴りすぎた、これが最後のチャンスだと思って、よく考えて答えろ、僕の質問に答える気はあるか? もしあるのなら僕はもうお前に危害を加えない、だが、もしも答える気がないのなら、さっきと同じ事を繰り返すだけだ、お前が話したくなるまで何度でもな」


「ひっ!!」


 レイアがヴァレンティアに向かって拳を向けるとヴァレンティアは悲鳴を上げて全身が震え出す。


「はい、わかり、ました、質問に答えます、何でも答えます、だから、もう許してください、レイア、様」


「そうか、わかった」


 全身を震わせながらレイアの問いに答えると言ったヴァレンティアを見てレイアは拳をおろしヴァレンティアに質問するのだった。


  

読んでいただきありがとうございます。


圧倒的恐怖と暴力で敬語になってしまうヴァレンティアでした。

容赦しないレイアは、ヤバいっす。


面白ければブクマと評価をよろしくお願いします。

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