第388話 またやって来た、ゴールデンウィーク 31 シエラVSヴァレンティア 5
空中でヴァレンティアに巨大な魔力の塊が直撃した事で空中には大きな爆発と衝撃波が舞うがシエラが認識疎外の魔法の魔法を使っていたため爆発が起きた範囲でそれを認識できる者はいなかっため大事にはならずに済む。
空中には爆発によって大きな煙が舞っているがその煙も晴れていく。
「・・・・・・おや」
シエラが何かに気づくと晴れていく煙からヴァレンティアが落ちて地面に激突せずに着地する。
「はあ、はあ」
息を切らしながらもヴァレンティアは立ち上がる。
「驚きましたね、あの時私の放った巨大な魔力の塊があなたに当たる直前にあなたは自分の手に同じ魔力の塊を作り私の魔力の塊にぶつけて軌道をずらし直撃だけは避けたと言ったところですか、やりますね」
「はあ、はあ」
シエラの言葉に何も言い返さずにヴァレンティアは息を整える。
「私としては今ので決めたかったのですが、思ったより簡単にはいかないものですね」
「こんなので私がやれると思ったのか? 随分おめでたいな」
「余裕そうに言ってますけど、実際かなり追い詰められてますよね?」
「うるさい!!」
ヴァレンティアがダッシュでシエラに接近してパンチを繰り出すがシエラは片手で簡単に受け止める。
「随分弱々しいパンチですね、やはり限界が来ていると言う事ですね」
「黙れ!!」
ヴァレンティアがその後もパンチやキック等の攻撃を繰り出すがシエラは片手だけで攻撃を全て受け流してしまう。
もうヴァレンティアの身体は限界を迎えつつあった。
「くそ!! 私が混ざり物の出来損ないなんかに!!」
「どれだけ叫ぼうが、屈辱を受けて憎悪の目を向けようが、あなたが私に勝てないと言う現実は変わりませんよ」
「黙れ!! 混ざり物の出来損ないが!!」
「驚きましたね、ここまでの差を見せられてまだそんな事が言えるなんて、余程純粋なヴァンパイア族としてのくだらない誇りやプライドを持っているようですね、全くそんなくだらないものを持っているから私に勝てないんですよ」
相手をバカにするかのような笑みを浮かべて言うシエラを見てヴァレンティアは屈辱でシエラを憎々し気に睨みつける。
「どうやらまだ私との実力差がわからないようですね、あ、失礼、言い方が間違ってましたね、本当は自分でもわかってるはずなのにくだらないプライドが邪魔をして素直に認めたくないが正しかったですね、ごめんなさい」
「貴様!!」
さらにバカにするシエラにヴァレンティアは今までにない怒りを露わにする。
「やれやれ、私の全力の半分の力であなたとこれほどの差があると言うのにくだらないプライドで認めたくないようですね、ならそんなあなたにさらにありえないものをお見せしましょう」
そう言ったシエラは瞳を閉じる。
「な、何だ?」
シエラから異様なものを感じたヴァレンティアは身構える。
「その目を開けてよく見なさい、あなたが、いえ、あなたのような純粋なヴァンパイア族が絶対に認めたくない現実を」
シエラが瞳を開けるとシエラの瞳の色が変わっていく。
「あ、ああ」
ヴァレンティアは目を見開き信じられないものを見たかの様な顔をする。
「これが、あなたのような純粋なヴァンパイア族が絶対に認めたくない私の姿です」
シエラの瞳は血を思わせるかのような赤色へと変わるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
シエラのさらなる変化です。
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