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第384話 またやって来た、ゴールデンウィーク 27 シエラVSヴァレンティア

「混ざり物の出来損ないが私に勝てると思うな!!」


 ヴァレンティアは地面を勢いよく蹴ると一気にシエラとの距離を詰めて殴り掛かる。


「ふっ!!」


「甘いわ!!」


 シエラは体術でいなすがすかさずヴァレンティアは蹴りを入れるがシエラは魔力を纏ってガードする。


「へえ、混ざり物の出来損ないのくせに少しはやるんだね」


「これくらいできなければレイアお姉ちゃんの右腕なんて務まりませんよ」


「出来損ないの右腕など底が知れるな!!」


 ヴァレンティアは先程よりもさらに速く動く。


「はあっ!!」


 ヴァレンティアを捉えて攻撃をするが手応えが感じずにヴァレンティアの姿が消える。


「こっちだ!!」


 声のした方を向くと既にヴァレンティアの蹴り技が繰り出されていてシエラは同じように魔力を纏うがさっきと違い威力を殺せずにそのまま飛ばされ地面に転がっていく。


「くっ、さっきと違い咄嗟だったから攻撃を上手く殺せませんでしたね」


 立ち上がったシエラは口から流れている血を手で拭いヴァレンティアを見る。


「ふーん、少しどころか思ったよりやるじゃない、混ざり物の出来損ないのくせに」


「さっきから混ざり物の出来損ないって長くて言いにくいんじゃないんですか? 私にはシエラと言う名前があるんですから、そっちの方が言いやすいですよ?」


「はっ、混ざり物の出来損ないの名前など言う価値もない、他の種族と子を作るなどお前の親は誰だ?」


「私のお父様がヴァンパイア族ですよ、名前はカリスと言います」

 

 ヴァレンティアの問いにシエラは父の名を言って答える。


「カリス? あいつか」


「お父様を知っているのですか?」


「あの小僧の娘か、あいつはヴァンパイア族の誇りとかそう言うのが全くわかっていない奴だった」


「お父様を小僧って、あなたいくつなんですか?」


 シエラは純粋にヴァレンティアの年齢が気になった。

 元の世界では人間以外の種族は数百年経っても見た目が変化しないのだがそれでも年齢が気になる者もいるのである。

 例えるなら自分に子供がいたとしてその子供が結婚するが相手が親である自分と同い年かもしくは年上だった時の何とも言えない空気みたいなアレである。

 子供からも親が再婚した相手が自分と同い年か年下だった時の何とも言えない空気のアレでもある。

 ヴァレンティアも見た目は美しい女性だが自分の父親を小僧呼ばわりされた事でシエラはどうしてもヴァレンティアの年齢が気になってしまったのである。


「女の年齢なんて聞くもんじゃないよ、見た目で判断すれば良い」

 

「見た目って、そう言えばあなたレイアお姉ちゃんのお爺様の配下だって聞いてましたけど、もしかしてあなたって、おば」


「年齢なんてどうでもいいだろぉー!!」


 シエラが言い終わる前にヴァレンティアはシエラに詰め寄り殴り掛かる。


「その反応、もはや答えのようなものですね」


「うるさい!!」


 ヴァレンティアが怒りの猛攻とも言える攻撃を繰り出しシエラがそれを受け流す。


「防戦一方じゃないか、それで私に勝つつもりか?」


「そうですね、なら混ざり物らしい戦い方をしましょうか」


 そう言って笑みを浮かべながらシエラはヴァレンティアに向けて手をかざすのだった。


 





読んでいただきありがとうございます。


見た目が変わらなくても年齢を気にする者はいるようです。


面白ければブクマと評価をよろしくお願いします。

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