第35話 新任教師リズ先生
本日、二話目の投稿です。
真央の目の前にいるのは間違いなくリズである。
リズが昨日言っていた真理亜を守る方法、それはリズが清涼女子学園の教師として入る事だったのである。
「今日から英語の授業を担当する新任教師のリズ・フランベールと申します、気軽にリズ先生と呼んでくださいね」
そう言ってリズは笑顔で挨拶をする。
「うわあ、すごく美人な先生」
「スタイルも抜群だね」
「ふふ、ありがとうございます、では授業を始める前にクラスの皆さんの名前を覚えたいので出席を取りますね」
リズは名前を呼んでいく、その光景を見た真央はただ呆気に取られていた。
(守る方法って教師としてか、そう言えば自分も僕と同じように子供になって行こうとしてたな、僕とイゴールで全力で止めたけど)
「宇界真央さん」
「あ、はい」
リズに名前を呼ばれ答える真央。
返事をした真央にリズは笑顔で頷き真央はそれを見て微妙な顔をしていた。
「はい、では授業を始めます、皆さん教科書を開いてください」
こうしてリズの授業が始まった。
「と、このように正確にはこちらが正解ですがこちらでも意味は十分伝わりますのでもし皆さんが海外に行く事があったら覚えておいて損はないですよ」
リズの授業は生徒達にとってはとてもわかりやすかった。
「では、宇界さん次の所を読んでもらって良いですか?」
「はい」
真央はリズに言われ教科書を読んでいく。
英語もちゃんと勉強していた真央は難なくスムーズに読んでいった。
「はい、ありがとうございます」
そう言ってリズは微笑み真央は何とも言えない顔になっていた。
「はい、今日の授業はここまでにしましょう、少し時間が余りましたのでここで皆さんの質問に答えたいと思います、私について聞きたい事はありますか?」
そう言ってクラスの皆が一斉に手を挙げて質問攻めの状態になっていた。
「リズ先生はどこの国の人ですか?」
「そうですね、アメリカとかフランスとか皆さんの知っている国ではない所ですね」
「リズ先生日本語凄く上手ですね」
「ありがとうございます、この国に引っ越すので一生懸命勉強しました」
「リズ先生って結婚しているんですか? もしくは彼氏とかは?」
「ふふ、内緒です、その方が魅力的な女性だと思いませんか?」
そう言いながら片目を閉じ口に人差し指を当てる仕草をするリズ。
それを見てクラスの皆はキャーと言っていた。
「リズ先生はどこに住んでいるんですか?」
「そうですね、私よりも彼女に聞いてみた方が早いですよ? ね、真央さん?」
クラスの皆が真央を見る。
真央は相変わらず何とも言えない顔をしている。
「真央ちゃんリズ先生の事知ってるの?」
「ああ、まあ」
「真央姉さんどうしたの?」
「何かさっきから困った感じの顔をしているぞ?」
「真央さんのお知り合いなのですか?」
クラスの皆も興味心身に真央を見る。
その視線に真央はとうとう観念する。
「リズは、僕が日本に来る前に一緒に暮らしていたんだ、リズは僕の家にいた使用人のようなもので家庭教師もしていて日本に引っ越す時にリズがついて来てくれたんだ、つまりリズは僕の保護者的存在と言う事になる」
真央が説明するとクラスの皆が、おお、と言っていた。
「はい、真央さんのおっしゃる通り私は真央さんと共にこの国に引っ越して来ました、家では家事とかもしています」
リズの説明にクラスの皆はまた、おおー、と言っていた。
「それから真央さん、家では私の事はリズと呼んで良いですが、学園内にいる時は私の事はリズ先生と呼んでくださいね」
「・・・・・・わかりました、リズ先生」
「はい、よくできました」
真央の言葉にリズは微笑む。
そして真央はやはり何とも言えない顔をするのであった。
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